〇宿舎到着 ページ4
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それから、円堂とクラリオが「ロシア料理大食い勝負」なるものをはじめてから食欲が失せてしまった詩音はタブレットでロシアの―――正確にはフロイの選手データを見ていた。
同じく食べ終わったであろう野坂が隣にやってくる。
「(フロイ・ギリカナン……)詩音ちゃんは彼とどういう関係なの？」
『？フロイとはロシアにいた頃に遊んだ仲ですね』
それより、と詩音が目を向けた先に居るのは山盛りのご飯を前に魂が抜けている西蔭。
どうやら野坂によりあの化け物みたいな大食い勝負の土俵の中に突っ込まれたらしい。詩音の目線を確認した野坂はニコリと笑って「少しおやつをあげすぎたみたいでね」と悪気なさそうに話した。
『(お気の毒です、西蔭さん)』
そう思わずにはいられなかった詩音だった。
○●○
カザニ・サッカーセンター。
イナズマジャパンの宿舎となる施設に着いた一行は荷物を持ってミーティングルームに集まる。
呼び出した監督本人はというと、とある椅子に座っていた。全員揃ったのを確認した監督が話し始める。
「明日からはいよいよスペイン戦に向けての特訓を開始します。一段と気を引き締めて……あ、そこですそこー」
監督が座っているのはマッサージチェア。座っているだけで自動でマッサージをしてくれる代物だ。
しかし、真剣なことを言っていたはずなのに全く説得力がないその姿には誰もが呆れた顔をする。
「全然説得力ねーぞ！」と突っかかる剛陣だが、監督は辞めるつもりはないらしい。それどころかそのまま話を続けた。
「で、皆さんの力となってくれる頼もしい助っ人が二人合流してくれます」
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作者名：おまんじゅう | 作成日時：2023年12月12日 23時
