〇違和感 ページ29
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翌日。
「頑張って下さい。一次グループリーグを勝ち抜くため、次のアメリカ戦に何としても勝たないといけませんから」
『このたくさんのマトリョーシカ、どこから持ってきたんですか』
「オーホッホッホ、内緒でーす」
当たり負けをしないため、フィールドにはたくさんの巨大マトリョーシカがあった。
しかもどういう仕組みなのかニョロニョロと動いている。
特訓にマトリョーシカを使う事に「面白い」と感心する関谷の前ではコサックダンスをする4人。
こちらも変わっているが、脚力トレーニングで理にはかなっているのでないも言うまい。
○●○
練習が一通り終了した。
みんなで水を飲んでいると、つくしがタブレットを持ってやってくる。そろそろ、ロシアとアメリカの試合が終わる頃だった。
「えーっと……2-1、アメリカが勝ちました」
「『え？』」
ロシアが負けたという結果を聞いた一星と詩音は真っ先に反応した。ただ単純な話、アメリカが強かったという可能性も普通にあるのだが、どこか違和感があって眉を顰める。
現状、アメリカが勝ち点トップ。日本はスペインと引き分けたため勝ち点で負けていることになる。つまり、次のアメリカ戦は勝たなければならない試合になる。
「一星、詩音。どうかしたのか？」
『……違和感を感じて』
「違和感？」
「はい。ロシアはフロイを始めとしてかなりの実力があるはず。簡単に負けるはずはないのに……」
フロイの実力を知る2人はそういう。オリオンの息がかかっているなら勝ち点を調整することもできる。が、オリオンを真っ向から否定したフロイの目は真剣そのものだった、嘘とは考えづらかった。
「アメリカとロシアの試合は、夕食の後にみんなで分析しよう！それまではフリータイムだ！」
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作者名：おまんじゅう | 作成日時：2023年12月12日 23時
