無色の詩姫【イナオリ】第五章 (ページ22)

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〇弱点ページ22

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ピーッ。試合が再開される。

その直後、フィールドから眩い閃光が走った。日本はみんな目を細めたり光を凌ごうと手を当てることしか出来なかった。

そして、2度目の長いホイッスル。

後ろを向けばゴールライン前に立つ円堂の後ろにボールが転がっていた。

「え……」

《ご、ゴール……なのでしょうか……？》

《一体何が起こったのでしょう……》

実況すら困惑している。

みんなが理解出来たのは、スペインの速攻は目に見えないくらいのスピードだったということくらいだった。

呆然とするイナズマジャパンにクラリオが近づく。

「あなたたちが私たちの弱点を把握したように、我々もあなたたちの弱点を完全に把握した」

―――日本に勝ち目はない。

クラリオはキッパリと言い放った。

「日本は味方の能力を信頼するあまり、疲れや緊張から来るプレイの劣化を考慮できていない」

「はい。仲間のプレイを信じ過ぎてますね。スペインはそこに気づいた…」

『一番の弱点は、パスを出す瞬間ですね。その軌道は疲労によって、みなさんがイメージするラインから大きくズレています。

そして、今のイナズマジャパンには一人一人の疲労を計算に入れてパスを出す、という技術は客観的に見てもないと思います』

つまり、弱点をカバーすることも出来そうにない、という残酷な現実がイナズマジャパンの目の前に立ち塞がっていた。