無色の詩姫【イナオリ】第五章 (ページ3)

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〇張り合いページ3

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「こんな所でまた会うとはな」

「！クラリオ！！」

店内に案内されてきたのはスペインチームだった。

円堂が嬉しそうに呼びかけるが、他は険しい表情をする者ばかり。これから敵となるチーム同士だ、当然のムードと言ってもいいだろう。

空港での出会いに続きまた再会。これはお互いの思いが呼応しあっている、まさに運命的！ということを言う監督だが、スペインチームを連れてきたと思われるガイドとスコーリオが小遣いを貰っているのを見た子文が訂正する。

「親分、全然運命的でも熱き思いが呼び合ってるわけでもないです！この兄妹が仕組んでますよ！小銭稼ぎの為に！」

「「あ、あはは〜！」」

ガイドの2人はどうやらその指摘が図星だった様子。誤魔化しのつもりか、子文のお面をリンリン鳴らしながら回している。

一方、イナズマジャパンのお皿の減りようをみたルーサーは嘲るように鼻で笑った。

「少食だな。その程度しか食わないようじゃ、俺達に勝てるはずなどない」

「……おい！これあと三つ！」

「これ五つ！」

ルーサーの言葉に正直に反応した吉良と灰崎はまだ食べ終わってもいない料理を追加で注文する。

あまりにも多い量に詩音はむっとした(ように見える)表情で咎める。

『……あまり頼みすぎるのは良くないと思いますけど』

「あはは、いいじゃないか！みんな思いっきり食えよな！」

詩音の忠告は楽しそうに傍観する円堂に宥められることで意味がなくなってしまったのだった。