無色の詩姫【イナオリ】第五章 (ページ20)

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〇高め合いページ20

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「さあみんな、ここから逆転だ！」

円堂がボールを前線へと飛ばす。

「それでこそ円堂守！」

「だが、逆転など夢のまた夢！」

「不可能ってやつを教えてやるよ！」

クラリオのシュートを止められても、スペインは以前自信満々にそう言う。

「無敵のジャイアントの力、見せつけてやるぞ！」

クラリオはそう言うともの凄いスピードでDF陣までかわし、シュートモーションに入った。

「［ダイヤモンドエッジ］！」

「［ダイヤモンドパンチ］！」

クラリオの新たな技、直角に曲がる［ダイヤモンドエッジ］を円堂は咄嗟の判断で［ダイヤモンドパンチ］を繰り出してボールを弾き出した。

お互いがお互いを高め合う、という言葉が相応しいように思える展開だ。

「調子に乗るんじゃねー！」

灰崎の決死の妨害でなんとかクラリオからボールが日本に渡る。そのこぼれ球を拾ったのは詩音。

センターラインから一気にドリブルで上がっていく。途中に襲いかかってくるベルガモのタックルもヒラリとターンをしてボールをキープし続ける。

そして、ドメルゴにアロンソが隠れたのを確認してその背中に白い羽根を生やす。

『［Bright Wing(ブライトウィング)］』

「……！［ザ・ボヨン］！」

『！……やはりですか』

少し焦った様子だったアロンソに定められた柳染色の瞳には確信が宿る。そしてまた、一連の流れを見ていた一星もその欠点に気づいた。