第819話 ページ38
「ルフィ！！Aちゃん！！ ……とクソマリモ！！」
貴「ん？サンジ、それにみんなも」
「派手に突っ込んだが、大丈夫か？A」
貴「アーチャー。おう、なんとかな」
キャスター達も無事についたようだ。
ここはヒューマンショップ。人身売買が行われる非人道的な店。ゾロとA達はまだ状況を把握しきれていないが、今まさに攫われたケイミーが天竜人に買われそうになっているところだったのだ。
会場には悪趣味の金持ち以外にも海賊たちの姿がある。彼らは突然やってきた三人の億越えのルーキーの姿に驚愕していた。
そして一部の男達は長いこと見つめた手配書の中の美女が目の前に現れたことに大興奮している。
「キャプテン！！あの子だよ！」
「美人だなあ！」
「店で話してた女ですよね？」
みっともなく騒ぐ船員に、男は頭を抱える。
ル「ケイミー探したぞ〜〜〜〜！！ よかったーー！！」
貴「おいルフィ……！」
周りの視線など気にせず、ステージの上の水槽に捕らわれたケイミーを見つけたルフィは彼女を助け出そうと走ってゆく。それをハチが必死に止めた。隠していた四本の腕を使ってしまうほどに。
「きゃああ〜〜〜〜！！魚人よ〜〜〜！！気持ち悪い〜〜〜！！」
ハチの正体を知るなり会場の客達が騒ぎ出す。飛び交う罵声と暴言はそれは酷いもので、それを見て聞き今がとてもよくない状況なのだと理解することができた。
んだよコレ。
Aは歪んだ空気が広がって行くのを感じた。
貴「う…」
気持ち悪い……！
歪んだ空気のせいなのかいきなり来た吐き気に少し動揺する。
剣「A、大丈夫か？」
心配そうにセイバーはAを見る。
貴「あぁ、大丈夫だ。わりぃな、心配させて」
迫害され思わず足を止めるハチから逃れ、ルフィはケイミーに向かってゆく。しかし今度は警備員たちが彼を取り押さえようとした。それでも負けじとルフィが前を目指した時、銃声が響いた。
貴「！」
血塗れになったハチが階段の上で頽れる。
その目の前には天竜人のチャルロスが誇らしげに銃を掲げており、その銃口からは煙があがっていた。
「ハチ！！」ナミの悲鳴のような呼び声にハチは答えない。
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作者名：覇月 | 作成日時：2020年8月16日 8時
