第816話 ページ35
ボ「いいじゃねェか、ケチ」
貴「ケチじゃねェよ。場を考えろ場を」
なんとなくだが仲良くなれそうだな、ボニーとは。
その時、店の外から騒がしい音が聞こえてきた。銃声も混じっている。
店の人間たちは野次馬精神で外へと出てゆく。A達もつられて後についていった。
貴「！」
術「ﾁｯ(クソ、なんでよりによって今！！)」
遠巻きではあるが天竜人の姿が確認できた。
人間の男を乗り物にして、数人の女奴〇を連れ歩いている男。人間と同じ空気を吸わないようにヘルメットをしているのだ。
天竜人によって誰か撃たれたらしい。しかし誰も庇うことはできず、膝をついて彼らが去るのを待っている。
貴「クソが…！」
剣「余も同じ気持ちだ。だがこらえろ奏者」
貴「あぁ…」
もう少し距離が近ければ、Aたちも膝をつかなければならなかっただろう。
その時、天竜人の目の前を酒を煽りながら堂々歩いてくる男が現れた。あの緑頭、覚えがありすぎる。ゾロだ。
それと後一人…
槍「げぇッ」
弓「勘弁してくれ…胃に穴が空きそうだ」
膝をつかず、堂々と立っている金髪の男がいた。
どうやらランサーとアーチャーには何かしらの因縁があるらしい。凄く嫌そうな顔をしていた。
ゾロが何か天竜人に向かって言った瞬間、天竜人が銃の引鉄を引いた。
貴「あンのバカ！」
Aが咄嗟に飛び出そうとするが、ローの手がすかさずAをおしとどめる。
貴「なんだよ」
ロー「見てろ、あんたの仲間は死なねぇよ」
銃弾を避けたゾロが天竜人に斬りかかる直前、ボニーが飛び出してゾロを抱えて転がった。いつの間にか彼女はこどもの姿になっている。
どうやらローはボニーが能力を使ってゾロの方に向かったのが見えたらしい。
あれがボニーの能力…相手にも使えるとなると厄介だな…
ボ「えーんお兄ちゃーんどうして死んでしまったの！？お兄ちゃーん！！天竜人様に逆らったの！？それなら死んでも仕方ない！！うえ〜〜〜ん！！」
借りができちまったな…
ゾロの次はお前だと銃を金髪の男に向ける。だが、彼はひるまず天竜人の元へ歩み寄る。
槍「ありゃあ…」
弓「頼む、面倒事を起こすなよ…」
ーーNOsideーー
「そこの下民！何故膝をつかん、不敬だえ！」
「下民」と「不敬」という言葉に彼は少し苛立つ。
「ほぉ？我(オレ)を「下民」と申すか、雑種の分際で。それこそ不敬というものよなァ」
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作者名：覇月 | 作成日時：2020年8月16日 8時
