第785話 ページ4
ローラは「そうだ」と白い紙を取り出し、それを千切ってナミへと渡した。ビブルカードである。
濡らしても燃やしても平気なそれは、持ち主の爪の切れ端を混ぜて作られたものである。それを離れてゆく友人や家族に渡せば、カードが引き合い、いつでも持ち主のいる方向が分かるのだ。
ル「へー、不思議だなー。そんなのいっぱいあんのかなー新世界って！！」
ローラ「便利でしょ。このママのビブルカードに私がサインしとくから、いつか何かに困ったらこれを辿ってママに会うといいわ。その時は私も元気でやってたって伝えてね」
どうやらローラの母は有名な海賊らしい。
ル「おれ、それ一枚持ってるかもな」
貴「私も」
と言って麦わら帽子を手に取り、ナミに縫い付けてもらっていた白い紙を取り出し、Aは空間から取り出した。
アラバスタでエースに貰ったものだ。
あれ…？コゲてる？
ル「そういう意味だったのか、コレだ。あり？ちょっとコゲて小さくなってる」
ローラ「ちょっとアンタたち！それ見せて！」
ローラはその小さな紙を渡してもらうと、端のコゲているそれを青褪めた顔で観察する。
ローラ「……これは確かに命の紙(ビブルカード)……でもまだ言ってなかったけどこの紙は持ち主の生命力も啓示するのよ！！これ……あんた達の大事な人でしょ？」
ル「ああ、おれらの兄ちゃんだ」
ローラ「気の毒だけどこの人の命！！もう……！！消えかけてるわよ！！！」
ル「えェ！！？」
貴「なッ！」
仰天するルフィの傍で、Aも青褪めた。
ルフィとAは焦燥の様子でローラに詰め寄った
ル「おい、どういうことだ！？ エースは死ぬのか！？」
貴「なぁ、どうなんだよ…！」
ローラ「いえ、持ち主が命を落とせばビブルカードは完全に消えてしまう。ただこの様子じゃ、命の危険にはあるようね……」
ル「まあいいさ。今騒いだって何も始まらねェ」
と皆に言ってのけた。
ナ「そうね。後で考えましょう」
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作者名：覇月 | 作成日時：2020年8月16日 8時
