検索窓
今日:5 hit、昨日:12 hit、合計:51,762 hit

ナビゲート ページ9

その後、3人は任務があるからと渋々……本当に渋々と部屋を出て行って、私はまた1人になった。


相変わらず蝶は私の側にいて、飛んでいく気配も消える気配も無い。


炭次郎達がいた時は、人懐っこく肩や頭に乗っていたし……これ、カナエさんなのかどうかも本当に分からないし。


「…何なんだろう、君」


触れてみるとふわっと貫通するし、振り払うと煙のように舞ってまた元の形に戻ってくる。


100%害は無いようだけど………というかもう1頭は、ずっとしのぶさんに付いたまま行っちゃったし。


部屋を出る時まで困惑した顔で、チラチラ私と蝶とを交互に見るしのぶさんは可愛かった……


じゃなくて、しのぶさんが可愛いのは当たり前……のは置いといて!




___今は正直、煉獄さんの様子が気になる。


生きていると分かっても、それがいつ死ぬか分からないなら、俄然不安だ。


……いやだってあの煉獄さんが、重症で寝ているっていう絵面は想像出来ないし、考えるだけでも辛い。


「……………」


………様子、見に行っちゃ駄目かな?


ベッドはいくつかあるものの、誰もいない部屋を見回して、私はふとそう思う。


試しにそっと起き上がってみても、目眩も違和感も無かった………完全に体は完治してる。


白い服越しに自分の体を確認して、閉じられた戸の方へ目を向けると、ベッドの柵に止まっていた蝶がふわりと飛んだ。


「…もしかして、案内してくれるの…?」


音もなく戸の方へ飛んでいく蝶に、少し嬉しくなって私も続いて歩き出す。


人工知能高いなぁ、この蝶……ナビゲートのプロかもしれない。


通りかかる誰かにバレないように、そっと戸を開けてから、廊下に顔を出して左右を見る……よし、誰もいない。


右の方へ出てった蝶を追って、私は初めて歩く蝶屋敷の中を暫く歩いて行った。


でも、誰もいないな……カナヲちゃんとか、あの3人組とか。隠の人も。


そのうちだんだんと忍び足を止めて普通に歩き始めながら、ずっと真っ直ぐに進み、




「…?え、ここ?」




1度も曲がることがないまま、蝶が1つの戸の前で止まった。


それから空中に留まって、触覚を戸の方に向ける蝶を見て、あっここなんだ…と思う。


中からは物音1つもしない。


………よし、誰もいないと信じて開けるぞ、いいか。


誰がいる訳でもないのに心の中で宣言してから、私は意を決して戸を引いた。




「_________」

おはようを→←うそん



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (158 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
485人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , トリップ ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

朔咲(プロフ) - 全部見てみたい!!!!!続きのお話、楽しみにしています!!! (2020年5月24日 23時) (レス) id: 6cb6312e2e (このIDを非表示/違反報告)
あイカ - 宇隨さんの話が良いです!堕姫の出てくる話!(漢字違う気がします!すいません!) (2019年10月18日 1時) (レス) id: 11ab2ddcaf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 遊郭編を読んでみたいです! (2019年10月11日 18時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
まみま - しのぶさんとの関わりもっと見てみたいです…! (2019年10月11日 11時) (レス) id: baa6090d07 (このIDを非表示/違反報告)
ログインしていない系作者 - 設定から文章、会話、全て面白い作品で一気読みしました! ただ、蝶の数え方は頭ではありませんか? ページ4と5ですかね……匹になっていたような気がします。違っていたらすみません。 (2019年10月8日 22時) (レス) id: 87dbb62b29 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:れんり@3回目 | 作成日時:2019年9月25日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。