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見覚えのある ページ5

音もなくふわふわと、不安定に弱々しく飛ぶような……どう見ても、2頭の蝶。


でも輪郭が曖昧で、ピンクみを帯びた赤い炎が、蝶の形をして浮いているような……不思議な感じだった。


驚いて1歩下がった私を、蝶もどきは追うことなく、ただその場でふよふよと飛んでいる。


………えっ?いやいや…何しに来たのこれ…??


なんか…導いてくれるとか、誰かの姿になるとか、そんなことじゃないんだね…?


思わず不安も悩みも忘れ、呆気にとられて突然現れた無言の隣人を見つめる私。


___ふと、その色に既視感を覚えた。




「………爆血の色みたい…」


禰豆子ちゃんが使っていた血鬼術の、炎の色………確かこの蝶の色と同じだったような。


気のせい…?それともただの偶然か……?


そう思いながらも、恐る恐る蝶へ手を伸ばし、揺らめく炎に指先がちょんと触れた。




「___!」




___途端、ハッと“目が覚めた”。


訳も分からぬまま転換した世界は、今度は打って変わって真っ白で………


瞬きしながら視線をぐるりと回して、そこが部屋だと分かった。


……部屋…?今度は一体、またどこに来てしまった…?


場面が変わりすぎて、思わず溜め息を吐きそうになりながらも、私はじっと少し前の事を考え、




「桜子さん!?!」




ドタドタと非常に煩く足音を鳴らせながら、かつ大声で部屋の扉を開ける音と共にやって来た誰かによって、思考が止まった。


「桜子さ……ハッ意識が!?目が覚めたんですね…!」

「アァア一瞬心音がおかしくなったから死んじゃったのかと思ったあぁぁぁ!!!」


いやまて非常に煩いのだが。


誰と誰?いや、炭次郎と善逸だねこれ、完全に。


予想した途端に、天井を向いた私の視界に、覗き込むように2人の顔が映った。


「………ここは…」

「ここは蝶屋敷です!えぇっと、あの…怪我人を治療する為の屋敷で…」


あー………蝶屋敷、蝶屋敷か……


ここにいるってことは、私はあの後何とか日の光を回避して、ここまで連れて来られたのか……


「…じゃあ、あれから何日寝て…」


数日、もしくは数週間………暗闇の中にいたのも体感十数分くらいだから、そんなには…




「___3ヶ月も寝たっきりで、色々大変だったんだよ!何より何でか柱の人達が大慌てで!」




サンカゲツ…?3週間じゃなくて……ヶ月。


嘘そんな長い間昏睡してたの…?

ショックを受けながらも、あんな急に血鬼術を使ったらそうか……と思っていると、




「突然騒がしくして、どうかしましたか?出来れば桜子さんの病室にはあまり__」

蝶屋敷→←地獄への道



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朔咲(プロフ) - 全部見てみたい!!!!!続きのお話、楽しみにしています!!! (2020年5月24日 23時) (レス) id: 6cb6312e2e (このIDを非表示/違反報告)
あイカ - 宇隨さんの話が良いです!堕姫の出てくる話!(漢字違う気がします!すいません!) (2019年10月18日 1時) (レス) id: 11ab2ddcaf (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 遊郭編を読んでみたいです! (2019年10月11日 18時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
まみま - しのぶさんとの関わりもっと見てみたいです…! (2019年10月11日 11時) (レス) id: baa6090d07 (このIDを非表示/違反報告)
ログインしていない系作者 - 設定から文章、会話、全て面白い作品で一気読みしました! ただ、蝶の数え方は頭ではありませんか? ページ4と5ですかね……匹になっていたような気がします。違っていたらすみません。 (2019年10月8日 22時) (レス) id: 87dbb62b29 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れんり@3回目 | 作成日時:2019年9月25日 22時

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