鬼舞辻無惨を殴るまで2【鬼滅の刃】

はじめまして ページ13

「…………？」


ふと目が覚めた時、ぼんやりとここはどこだ……とまだ覚めない頭で考えた。


私、何してたっけ……確か…寝る前、


「…おい。目覚めたなら、退け…」

「！？」


そして唐突に後ろから聞こえた声に驚いて、一瞬で覚醒して飛び起きる。


ベッド！…の上に座ったまま、いつの間にか寝てた…！？


ということは、後ろにいるのは確か……


ギギギ…と効果音が付きそうなくらい、冷や汗をかきながら振り向くと……


そこには上半身を起こして微妙に私から目を反らす、玄弥がいた。もう起きてた。


誰この人…？みたいな戸惑った顔でチラッとこちらを見た玄弥は、顔が赤い。


……あ、思春期。ピーンと脳裏に閃いたその言葉を押し流して、私はパッパと身なりを整えて、玄弥の方に振り向く。


「私、桜子。怪我して…今はここで治療中なんだけど、よろしくね」


おずおずと手を差し出すと、玄弥がギョッとしたように目を剥いた。


そして、眉間にシワを寄せて、口を開閉させ、視線をキョロキョロと……


絵面が完全にいかついけど、これは多分握手するか迷ってるんだな…と思うことにする。


「…あの、はじめまして？」


ワンチャン、初対面じゃない可能性も考えてもう１度言い直すと、玄弥が「う」と言葉に詰まる。


そして、おずおずと…ついでに言えば顔を反らしながら、右手を差し出してきた。


それを俊足の如き速さで取り、私はへへへと笑う。


やだ、お兄様より先に弟君の握手頂いちゃった……じゃなくて、やっぱり成長期だからか、意外とデカイ…




「君の名前、何ていうの？」

「え、俺…？俺は___不死川玄弥」




そうして、着々と知り合いを増やしていくのかもしれない…とその時そう思った。

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