体調の急変 ページ7
「まッ、待ってください…!!」
………と、慌てた声が飛び出してきたのは、すぐのことだった。
すぐ目の前に足音と誰かが立った気配がして顔を上げると、
「安全性を見極めてから捕縛するって話じゃなかったんですか…!?」
黄色い羽織。更に顔を上げると、黄色い頭………善逸か?
私と時透君の前に、私を庇うように立っていた。実際…両手を広げて背中に私を庇っている。
「善逸、いいんだよ別に。私は鬼だもの、分かるでしょ?」
瞬時に、柱2人の前でこれはヤバいと思って立ち上がり、善逸の肩を押し出す。
「嫌だ!やだ絶対退かない…!!桜子さん死んじゃうもん!」
「いや鬼っつってんだろ!仮にも鬼殺隊なら立場を弁えて…!?」
押し合い問答が始まる始末である。
うわ…男の子と取っ組み合いになったのって、人生初めてだ。
善逸もやっぱり男だから見た目より力強いな……
いや…というか普通に強くて押し倒されそうなんだけど…!?
仮にも私が鬼なら、いくら男性相手でも子どもくらい吹き飛ばせると………
「あ」
___振り払う勢いで善逸を投げ飛ばしたのは、組み合いが始まって10秒も経たない頃だった。
地味に遠くまで吹っ飛んだ善逸が、遠くの木にガッと音を経てて衝突……
ズルズルと項垂れて地面に崩れ落ちる辺り、多分気を失った。
「や、…………___ッ!?」
___ドクン
途端、心臓が一際大きく音を立てて、視界が2重に霞んだ。
………何だ?突然、物凄く気分が悪くなった。
息が、上手く出来ていない気がする……それに、
「あ………が………っ…」
思わず前のめりに倒れ込んだ私を、咄嗟に誰かが受け止めた。
が、胸が痛み出して、私は顔を上げることができない。
「な、に…………お腹、空いた………?」
いつの間にか顔から汗が吹き出していて、手足が感覚を失くして震えている。
視界に映る誰かの黒い服を見つめながら、私が突然急変した体調に狼狽していると___
不意に、首筋に鋭く重い一撃が加えられた。
「がッ…!?」
手刀を食らったのかと理解した頃には、体がガクンと落ち、
意識も、崩れ落ちるように消えた。
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楓音(プロフ) - 作品とても楽しく読ませて頂いています!初の登場時からずっと気になっていたのですが、「炭治郎」を「炭次郎」と書き間違えていたのが気になってご報告させて頂きました💦ご不快な思いをさせてしまったら申し訳ありません💦 (2022年3月22日 18時) (レス) @page6 id: 5a612b3e43 (このIDを非表示/違反報告)
むい推しの人 - 初コメです〜。一つ気になったことがありまして…。「連れていく」で登場した夢主ちゃんの服のことです。膝上の短い袴ってどんなやつですか?変に細かいところ気になってしまいました…すみません。長文コメ失礼しました! (2019年9月22日 14時) (レス) id: 00103e9837 (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - 初コメ失礼します。無惨の名を言うと殺されるという呪いは発動しないのですか?無惨に限って例外はないような気がするので。今後の展開が気になります!更新頑張ってください! (2019年9月3日 21時) (レス) id: 0b2ef933c6 (このIDを非表示/違反報告)
衣鶴奈(プロフ) - 14ページ目、悲鳴島ではなく悲鳴嶼だと思います.......物語は面白いので、更新頑張ってください! (2019年8月30日 2時) (レス) id: 8c5e0feeb8 (このIDを非表示/違反報告)
心(プロフ) - オチを宇髄さんに一票! (2019年8月27日 18時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:れんり@3回目 | 作成日時:2019年8月22日 20時