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連れて行く ページ42

「…兄上、あの方は」

「もうすぐ起きてくる頃だろうな!千寿郎、お前は下がっているといい」


2人分の朝食を用意してくれた千寿郎が、少し心配そうな顔で俺を見上げる。


それに安心させるよう言って、まだ小さな頭を撫でてから、念の為にと千寿郎を下がらせた。


それに、そろそろ行かせないともしかすると彼女と鉢合わせになる可能性もある。


………いくら、恐るべき理性で鬼としての本性を抑え込んでいるかと言って、もしもの時はいつでもあり得る。




___桜子は柱と一部の鬼殺隊員以外の接触は極力禁止させるように


その時に、無辜の民や家族が側にいたら、危険だという……お館様の苦渋の判断だった。




「……なんと、苦しいことか」


これから多くの人が消えたという列車の任務に行かねばならないのに、そこに彼女も連れて行かなければならない。


……もし、乗車客がが多く狭い列車内で、彼女が鬼化したら______


「……胃が痛いとはこういうことか。よもや……このような日が来ようとは思わなんだ」


そう呟いた時、ふと部屋の外から足音が聞こえてきた。


戻ってきた千寿郎か、それとも起きてきた桜子か…もしや父上か、誰だろうと思いながら襖が開くのを待つ。


「あ」


とそこで、1つ大事な事に気付いて声を上げた途端、襖が開いた。




「__ここだ。道くらい覚えておけ」

「…えへ。すみません…ありがとうございます」




そこに立っていた人物に、俺は思わず唖然とした。父上と、桜子が一緒にいる。


「じゃあ二度と話しかけんなよ」


やや嫌そうな顔をしてそう吐き捨てた父上は、一切俺を見ることなく踵を返して行った。


「………ねぇ。お、おはよう?」


膝上の短い紺色の袴に、薄桃色の着物の袖を揺らしてそう言った彼女を、俺は思わず見つめる。


おはよう……?あぁ、挨拶か、そうだ今は朝だった。


「__あぁ、おはよう!朝食はいるか?」


人の食を取れる彼女の為に、千寿郎が一生懸命に作ってくれた食膳を見下ろして、彼女は迷いもなく頷いた。




「___今日、俺は任務があるのだが……君にも着いて来てもらおうと思う」


食べながら、合間にそう言った俺に、彼女はハッとしたように顔を上げて、


「…列、車…?」

「うむ!そうだ、短期間で行方不明が多発し、向かわせた隊員も消息を経った。十二鬼月の可能性がある」


俺がそう言うと、桜子は何か考えるように視線を下げた。何を考えているのかは分からない……が、




「__俺は油断はしない!君もそのつもりでいなさい!」

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楓音(プロフ) - 作品とても楽しく読ませて頂いています!初の登場時からずっと気になっていたのですが、「炭治郎」を「炭次郎」と書き間違えていたのが気になってご報告させて頂きました💦ご不快な思いをさせてしまったら申し訳ありません💦 (2022年3月22日 18時) (レス) @page6 id: 5a612b3e43 (このIDを非表示/違反報告)
むい推しの人 - 初コメです〜。一つ気になったことがありまして…。「連れていく」で登場した夢主ちゃんの服のことです。膝上の短い袴ってどんなやつですか?変に細かいところ気になってしまいました…すみません。長文コメ失礼しました! (2019年9月22日 14時) (レス) id: 00103e9837 (このIDを非表示/違反報告)
風雅(プロフ) - 初コメ失礼します。無惨の名を言うと殺されるという呪いは発動しないのですか?無惨に限って例外はないような気がするので。今後の展開が気になります!更新頑張ってください! (2019年9月3日 21時) (レス) id: 0b2ef933c6 (このIDを非表示/違反報告)
衣鶴奈(プロフ) - 14ページ目、悲鳴島ではなく悲鳴嶼だと思います.......物語は面白いので、更新頑張ってください! (2019年8月30日 2時) (レス) id: 8c5e0feeb8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - オチを宇髄さんに一票! (2019年8月27日 18時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:れんり@3回目 | 作成日時:2019年8月22日 20時

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