鬼舞辻無惨を殴るまで【鬼滅の刃】

君の立場 ページ36

「___2日前、何らかの理由で鬼舞辻に追われて、森の中で一撃を食らい……その衝撃で、私は記憶を失くした」

「……だから、貴方の質問に、私は何1つ答えられない」




首を傾げて、自嘲気味にそう言う……も、お館様と両隣の子ども達は、特に何の反応もしなかった。


…あれ、流石に何かリアクションすると思ったんだけど…？


「……期待外れで悪かったね…」

「______」


ボソッと呟いた瞬間、同じくらいの声量で、お館様が何かを呟いた。


聞き取れずに、思わず「え？」と聞き返した私に、




「___それは、良かった」




「___え？」


今なんて…？良かったって言ったよな？？……え何が…？


「………？」


お館様がそう言った意図がいまいち分からないけど………なにんか、胸がざわつく言葉だ。


不穏というか……歪さを感じる。記憶が無くて良かったって、文字だけならヤンデレ感出るし。


ア、お館様ってもしかしてヤンデレ………な訳無いよ、後の柱に刺されちゃうわ。


というかあの人にはあまね様という女神が……じゃなくて、いや話がややこしくなったぞ…！


そう思った途端、それまで沈黙していたお館様が「じゃあ…」と話を転換させた。




「___これからの君の立場をどうするか、昨夜皆と話し合ったんだ」




と、微笑んだ。


私が内心「え？決まってなかったの…？」と呟きながら、キョトンとした顔をすると、


「昨日、桜子に屋敷の一角に部屋を与えただろう？」

「えっ？あ…うん」

「昨日今日で申し訳無いのだけど……桜子には、任務と諸々の安全の為に屋敷を移ってもらうことになってね」




「___今いる柱達の中から、誰の屋敷に行きたいか……選んでもらってもいいかな？」

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