鬼舞辻無惨を殴るまで【鬼滅の刃】

分速 ページ27

「……よりにもよってその2人を味方に付けるなんて、反則だと思います、私」


不貞腐れたように…かつ信じられないくらい可愛らしい声で呟くのは、しのぶさんだ。


その隣には最初に捕まった甘露寺さんと……他3人、鬼ごっこの逃走者側、全員が揃っていた。




……………結果は、鬼側の勝利に終わった。


しかも、2人を鬼に加えてから秒……ではないが、分速で終了した。




「でも、1人なんて決めてないから…ね？」

「うむ！そうだな！俺達の勝利だ！」


しのぶさんに言われ、隣の煉獄さんを見上げながらそう言うと、煉獄さんが張りのある声で勝利宣言をしてくれた。


待って割とこの人の声、思ってたより大きくて耳に響く。


そう思いながらも、「ふふん」と悔しげな顔で並ぶ5人に笑みを浮かべながら、反対側に立つ…


「3人も捕まえるなんて流石…！」


真顔のまま立っている宇髄さんの腕をツンツンと小突いて、




___天元はかなり速いよね、忍って皆こうなのかな




「……というかかなり速かったけど、柱って皆こうなの？」


走り出す時、ビュンって音がしたくらいなんだけど。


私が言うのもアレだけど……鬼ごっこごときで、そんなに本気出す？


アレか、まさか罰ゲームが嫌だったのか…？この面子の中に嫌いな人でも…？


「そ、それはともかく……あの、勝負は私達の負けですから、約束通り………こ、告白ですか…？」

「うん、勿論。相手は……選んでいいよ？」


おどおどと言う甘露寺さんにそう言って、私は何気なくふと振り向く。


そこに、今あるハズのない、“幻覚”があった_____





まるで目の前にモニターの幕が下りたような……そんな風に、視界にぼんやりと、


どこか見覚えのある、愛しいような懐かしいような………“いつかあった気がする”光景が見えた。

在りし時の→←宇髄さん

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