もう知らない！ / fkr ページ10
パッと目が覚めてしばらくぼーっとする。隣の彼はまだ夢の中らしい。
すぐそばに置いてあったスマホを手に取って通知を確認する。
ああ、今日から4月か。
その後すぐにTwitterを見ていたら目に飛び込んできた『エイプリルフール』の文字。
そっか、4月1日はエイプリルフールじゃん。
「...そうだ」
目を閉じる拳ちゃんの顔を見つめて閃く。なにか嘘ついてやろっと。
.
あれから数十分後、彼も起きて朝の準備を始めた。
隣に座って朝ごはんを食べて、朝の情報番組を見ながらちょっとした世間話。
「ねえ拳ちゃん」
「んー」
スマホをいじりながら歯磨きをする彼の背中に言葉を投げかける。
「好きな人できた」
ガコン。
拳ちゃんの手に握られていたスマホが床に落ちた音がした。動きを止めている拳ちゃん。鏡越しにゆっくり目が合った。
「え？」
予想以上に低い声にビクリと肩が震える。まって、目が怖すぎる。
いやでもここで負けたらだめだ。たまには私が拳ちゃんを動揺させてやるんだから。やられっぱなしでいられるか。
「すきなひと、できた」
「誰？」
「拳ちゃんには関係ない」
「は？」
口を濯いだ拳ちゃんがスマホを拾ってこちらに近づいてきた。心臓がバクバクいっている。適当についた嘘でこんな怒る？
20センチくらい上から見下ろされてビクビクと縮こまる。
「A、」
「あの、拳ちゃん」
「ねえ誰？」
「あ、あのね」
「誰って聞いてんだけど」
肩をグッと掴まれて動けなくされる。
「い、たいよ拳ちゃん」
「うるさい。誰って聞いてんの」
光の無い目でこちらを見つめる拳ちゃんがなんだか怖くて、じわりと涙が滲む。
「俺の知ってる人？それとも全然知らない人？どこで出会ったの？合コン？」
「拳ちゃ、」
「もう俺ら5年になるよね？俺結構真面目に将来のこと考えたりしてたんだけどAは違うの？ねえ」
「拳ちゃん！」
大きな声をあげた私に驚いた拳ちゃんが声を切らした。ズッと鼻を啜って拳ちゃんの頬をムギュっと潰す。
「ちょ、」
「話聞いて」
「Aこほ俺のひつもんこたえてよ」
「今日何月何日かわかる？」
「...4月1日...」
「うん」
「...あ」
軽く目を見開いた拳ちゃんが、途端に申し訳なさそうな表情を浮かべて私と目を合わせた。
「エイプリルフール...？」
「そうです」
バッと私から離れた拳ちゃんが やっちゃった、と頭を抱えて蹲った。
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花鳥腐月(プロフ) - コメ失礼します🙇♀一作目から少し拝見したのですが、夢主ちゃんがkwmrさんを呼ぶとき名前＋さん呼びなの解釈一致すぎて震えました！！！！！陰ながら応援しております！頑張ってください💪 (2021年10月26日 18時) (
レス) @page13 id: ca02359df5 (このIDを非表示/違反報告)
あむ(プロフ) - 山田嫁枠急募さん» 返信遅くなり申し訳ございません。説明欄にも記載している通り私の作品の夢主は全員固定の女の子です。そのため今のところtmrさんのお話を書く予定もありません。申し訳ございません。 (2021年8月18日 23時) (レス) id: cac5d3b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
山田嫁枠急募 - はじめまして。いつも楽しませていただいてます。リクエストなんですがtmrさんお願いしたいです。できたらよろしくお願いします。 (2021年8月8日 1時) (レス) id: 824bd81ecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月12日 16時
