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「Aは寝癖つかないよな」
「そんなことないよ」
顔を洗ってさらさらと私の髪を撫でる駿貴くんは 髪質か？と興味深そうに私の髪を凝視している。
そんなに見られると恥ずかしい。まだ整えてないからアホ毛もボサボサだろうし。
「...綺麗」
「え？」
驚いて顔を上げると、丸い瞳が私を見ている。どういうことかと首を傾げれば、駿貴くんはゆるりと目を細めて口を開く。
「A、綺麗」
「...？」
単語のみ発した駿貴くんは、さらさらと私の髪に触れ続けている。嬉しいけど、いまいちよくわからない。褒めてくれているならそれでいけれど...。
「黒髪っていいよなー」
「黒髪が好きなの？」
駿貴くんの好きなアイドルは明るい髪色の人が多いような気がするけれど。
私のその質問に少し驚いた顔をした駿貴くんは、すぐにクシャリと笑って私の頭を撫でた。
「明るくしたりはできるけど、黒髪に戻すことはできないから貴重でしょ」
「そう...か」
「まあAだから好きっていうのもある」
「っありがとう...」
付き合って一年が経ってやっと彼のストレートな愛情表現に慣れてきたけれど、やっぱり顔を見た状態だとまだ恥ずかしい。おそらく私の恋愛経験がゼロだからだろう。
「あ、朝ごはん作らなきゃ」
ポンポンと頭を撫でられていたらキッチンに置き去りにされた食材たちを思い出した。彼の手をそっと外して すぐ出来上がるから来てね、と伝えてキッチンに戻った。
.
家を出る時間同じくらいだし一緒に駅まで行こう、と誘われて隣を歩く。
20cm以上身長が低い私の歩幅に合わせてくれているのが本当に優しい。
「発表、うまくいきそう？」
「んーたぶんね」
あれだけたくさん準備してきたんだから、絶対うまくいくと思う。口には出さないけれど心の中で強く強くそう思った。
「じゃあ、」
交差点を渡って道の端で立ち止まる。私は地下鉄、駿貴くんはJRだからここでお別れ。
「頑張ってね」
「Aこそ。仕事頑張れ」
駿貴くんはそう言って握った拳をこちらに向けた。
何をすればいいのか察して同じように拳を握ってちょん、と彼のそれと触れさせる。
「よし、じゃあ行くわ」
「うん」
「終わったら...行こうかな」
「私の方が終わるの遅いよ？」
「どっかで時間潰してるから平気。会いたいし」
駿貴くんは私の髪をサラリと撫でて じゃあな、と背を向けて駅に向かって歩いていった。
会いたい、だって。
「...よし」
駿貴くんの発表がうまくいきますように。
離れていく背中にそう意思を飛ばして改札へ向かう階段を下りた。
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花鳥腐月(プロフ) - コメ失礼します🙇♀一作目から少し拝見したのですが、夢主ちゃんがkwmrさんを呼ぶとき名前＋さん呼びなの解釈一致すぎて震えました！！！！！陰ながら応援しております！頑張ってください💪 (2021年10月26日 18時) (
レス) @page13 id: ca02359df5 (このIDを非表示/違反報告)
あむ(プロフ) - 山田嫁枠急募さん» 返信遅くなり申し訳ございません。説明欄にも記載している通り私の作品の夢主は全員固定の女の子です。そのため今のところtmrさんのお話を書く予定もありません。申し訳ございません。 (2021年8月18日 23時) (レス) id: cac5d3b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
山田嫁枠急募 - はじめまして。いつも楽しませていただいてます。リクエストなんですがtmrさんお願いしたいです。できたらよろしくお願いします。 (2021年8月8日 1時) (レス) id: 824bd81ecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月12日 16時
