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ホームに滑り込んできた電車に乗り込み、真ん中あたりの座席に腰掛ける。
「そうだ今日みた映画おもしろかったので拓哉さんも時間があれば是非」
「なんていうやつ？」
「えっと、」
スマホで検索してホームページを拓哉さんに見せる。
「これおもしろいんだ」
「原作を大事にしてる感じでした」
「ほう」
さほど興味無さそうな返事をした拓哉さんは、車窓に目をやった。
「そういえば拓哉さんは何してたんですか？」
「...野暮用」
「そうなんだ」
やけに荷物が少ないけど...。彼が言うならそうなのだろう。もともと荷物そんなに持たない人だし。
.
「送ってくれてありがとうございます」
「いいえ」
「あがっていきますか？」
「いや、今日はやめとく。ごめんね」
「全然。じゃあまた今度ですね」
「うん。...じゃあ」
「あ、」
待っててください、と拓哉さんに声をかけてバタバタと部屋に入る。
本棚の中から目当ての本を探し出して背伸びして取り出し玄関に戻ると、拓哉さんは律儀に待っていてくれた。
「どうしたの？」
「これ、さっき言ってた映画の原作です」
「あ、これ？」
「はい。これ貸すので、読んだら返してください」
いつ返してもらっても構わないので、と付け足しながら適当な紙袋に単行本を入れて手渡す。
「いいの？」
「是非」
「ありがとう」
ふわりと頭を撫でられて、そのまま優しく唇を重ねられた。
思い返してみると、今日初めて触れられた気がする。
「気をつけて帰ってくださいね」
「うん」
「風邪ひかないように」
「わかったって」
目を細めた拓哉さんは じゃあね、と言ってひらりと手を振り出ていってしまった。
今日はいい映画も見れて拓哉さんに会えてスマホケースも変えて。充実した一日だったなあ。
手を洗いながらそんなことを考えた。
スマホケースはすぐに拓哉さんセレクトのものに変更された。気分が上がる。
.
『遅くない？大丈夫？ちゃんと買えた？』
『今から買う』
『今から？一時間も何してたの』
『野暮用』
福良からのLINEに適当に返事をしてスマホをポケットに仕舞う。
「...戻るか」
Aと会った駅に戻るべく歩いてきた道をひとりで歩く。
漫画なんか持って行ったら何言われるかわかんないんだけどな。
まあいいや。返す口実でまた会えるし。
もっとも、口実なんか作らなくたって会えるんだけどさ。
おそらく福良からのLINEだろう。通知を知らせるスマホを無視して改札を通ったのだった。
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花鳥腐月(プロフ) - コメ失礼します🙇♀一作目から少し拝見したのですが、夢主ちゃんがkwmrさんを呼ぶとき名前＋さん呼びなの解釈一致すぎて震えました！！！！！陰ながら応援しております！頑張ってください💪 (2021年10月26日 18時) (
レス) @page13 id: ca02359df5 (このIDを非表示/違反報告)
あむ(プロフ) - 山田嫁枠急募さん» 返信遅くなり申し訳ございません。説明欄にも記載している通り私の作品の夢主は全員固定の女の子です。そのため今のところtmrさんのお話を書く予定もありません。申し訳ございません。 (2021年8月18日 23時) (レス) id: cac5d3b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
山田嫁枠急募 - はじめまして。いつも楽しませていただいてます。リクエストなんですがtmrさんお願いしたいです。できたらよろしくお願いします。 (2021年8月8日 1時) (レス) id: 824bd81ecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月12日 16時
