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「わ、クラゲ...」
「すごいなこれ」
大きな水槽で自由にふわふわと浮くクラゲたちは、光を浴びてキラキラと輝いている。
それを眺めるAの瞳も一緒にキラキラと輝いていて、クラゲなんかよりも何倍も綺麗だ。
休日だし混んでるかな、と思っていたけれど水族館の中はあまり人がおらずゆっくり見ることができそうだ。
クラゲに夢中になっているAの手をとって指を絡める。
バッとこちらに顔を向けたAがぶんぶんと手を離そうと腕を振り回すのを黙って見つめる。
そっちが油断したからだぞ。
「駿貴くん」
「油断した自分が悪い」
「だからって」
「こんな暗いとこにいたら誰も見ないわ。それにここ水族館やで？魚見に来てんだから」
「そうだけど...」
「たまにはいいじゃん。Aだって手繋ぎたかったやろ？」
「...うん...」
Aはようやく観念したのか、またクラゲに視線を戻してパチパチと数回 瞬きをした。
かわいーな。
「私ね、クラゲが一番好きなんだ」
「昔から言ってるよなそれ」
こんな得体の知れない生き物のなにがいいのだろうか。いや別に嫌いってわけじゃないんだけども。俺はもっとこう、サメとか。クジラとか。かっこいいやつが好きなんだよな。男はみんなそうかもしれないけど。
.
「あ、これ可愛い...」
そう言ってAが手に取ったのは白いアザラシのぬいぐるみ。Aの部屋は白基調だし、まあ置いても違和感なさそう。
「買う？」
「でもなあ...」
「買わんの？」
「迷う」
「違和感はなさそうやけど。部屋にあっても」
「...買おうかな...？」
「払うよ」
「え、じゃあ買わない」
「Aの家に俺があげたやつがあるってだけで嬉しいじゃん」
腕の中のアザラシを引ったくってレジへ持っていく。
駿貴くんっ、という声が後ろから聞こえるけど無視。
「これ見る度に俺のこと思い出すでしょ」
「え？」
「思い出さない？」
「駿貴くんそんなに束縛強めの人だっけ」
そう指摘されて財布を取り出す手が止まる。
...意識してなかったけどそうなのかもしれないな。
「束縛強いのは嫌い？」
「別に嫌いじゃないけど...」
「俺だからなんでもええやろ」
「っそう、だけど」
恥ずかしそうに目線を落としたAが店員さんに これお願いします、とアザラシを差し出した。
「そうこなくっちゃ」
「駿貴くんはいらない？」
「見たくなったらAの家行けばええやろ」
袋に包まれたそいつを受け取って店を出る。
時刻は夕方。さて、どこに行こうか。
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花鳥腐月(プロフ) - コメ失礼します🙇♀一作目から少し拝見したのですが、夢主ちゃんがkwmrさんを呼ぶとき名前＋さん呼びなの解釈一致すぎて震えました！！！！！陰ながら応援しております！頑張ってください💪 (2021年10月26日 18時) (
レス) @page13 id: ca02359df5 (このIDを非表示/違反報告)
あむ(プロフ) - 山田嫁枠急募さん» 返信遅くなり申し訳ございません。説明欄にも記載している通り私の作品の夢主は全員固定の女の子です。そのため今のところtmrさんのお話を書く予定もありません。申し訳ございません。 (2021年8月18日 23時) (レス) id: cac5d3b9a3 (このIDを非表示/違反報告)
山田嫁枠急募 - はじめまして。いつも楽しませていただいてます。リクエストなんですがtmrさんお願いしたいです。できたらよろしくお願いします。 (2021年8月8日 1時) (レス) id: 824bd81ecb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あむ | 作者ホームページ：
作成日時：2021年2月12日 16時
