72.隣 ページ22
目が覚めると、懐かしい匂いがした。
隣からふわっと柔らかい髪の毛が肌に触れて
近くに人がいる事に気がついた。
誰？
･･･
『な、････っ直人さん･･･っ？！！』
大きな声を出しそうになって、
慌てて手で声を抑えた。
どうして隣にこの人がいるのか分からない。
私がここで寝たのも覚えてないくらいだから
当たり前なんだけど･･･笑
久しぶりにこんなに近くにいる直人さん。
どきどきする。
『いいにおい･･･落ち着くなぁ･･･』
独り言を言いながらふふっと笑う。
･･･傍から見たら絶対キモい。
でも、こんなこと滅多にないし･･･。
『相変わらず綺麗な顔してるなぁ。
･･･けど、少し疲れてる？』
整った顔立ちは変わらないけど、
やっぱり忙しい人気者。
どこか疲れが残っているように見える。
『ちゃんと、食べてるのかな････寝てるの？
直人さん･･･』
寝ている人相手なら、何でも話せるのに･･･。
直人さんの目にかかるほど長い前髪を指で払おうとした瞬間、閉じていた目が開いた。
『はっ！』
直人「･･･はって、何･･･笑」
寝起きですぐにつっこまれて笑われた。
直人「ふぁぁ･･･俺も寝ちゃってた？
寝るつもり無かったけどな･･･」
ごめんごめん、と言って笑う直人さん。
直人「で、何言ってたの？俺に」
『へ？･･･な、何も･･･』
独り言、聞かれてた･･･？
直人「嘘、ぶつぶつ何か言ってるの聞こえてたもん。
･･･何？」
『いや･･･その･･･、
ちゃんと、休めてるのかなって･･･笑』
ちょっとストップした瞬間、
ははは、と軽く笑うとぽんぽんと頭に直人さんの手が置かれる。
直人「焦りすぎ。笑
ありがとね」
いつもの童顔キラキラスマイル。
『いえ･･･、あの、』
直人「寒くない？
帰ろうか」
聞きたいことはいっぱいあって、
伝えたいこともいっぱいあって･･･
私がここにいられる時間は少ない。
だってオーディションはもうすぐ。
その結果次第で私の時間が決まっちゃう。
このままじゃ、何も出来ない。
向き合わなきゃ、
だめだよね。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 127人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
結城(プロフ) - けいさん» けいさん、コメントありがとうございます！有難いお言葉までありがとうございます(*^^*)今後の予定はわかりませんが何かしら更新できるように頑張ります(^^) (2015年9月24日 17時) (
レス) id: 9bba7c65bc (このIDを非表示/違反報告)
けい(プロフ) - 完結ありがとうございます！ドキドキキュンキュンして、読んでいる間幸せでした♪ぜひぜひヒロインちゃんのデビューまでもみてみたいです！ナオトくんとのラブラブも。楽しみに待ってます(*^o^*) (2015年9月23日 21時) (レス) id: d22372d640 (このIDを非表示/違反報告)
結城(プロフ) - おみりゅうさん» おみりゅうさん、コメントありがとうございます！作品大好きなんてすごく優しいです♪更新頑張ります(^^) (2015年6月4日 18時) (レス) id: 9bba7c65bc (このIDを非表示/違反報告)
おみりゅう - 私が、初コメントデスネーこの作品大好きなので凄く嬉しいです。更新頑張ってください＼(^o^)／応援してます。 (2015年6月4日 17時) (レス) id: 940685a467 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：結城 | 作成日時：2015年6月4日 7時
