君のせい

45.熱 ページ45

っくしゅ･･･っ





自分のこういうところが嫌い。笑
空気の読めない生理現象のタイミング。

残念なくらいかわいくないと思う。




直人「･･･ん･･･香奈･･･？」



『お、起こしてすみません･･･！』



おはよう、と挨拶をすると
ぎゅっと私を抱きしめる直人さんの力が強くなる。




忘れていた緊張がまたやってくる。
いろんな感覚がはっきりしてきた。

んーなんかやっぱり寒い･･･。



直人「やっぱ寒いんでしょ？
おいで？」



抱きしめられている自分の格好に気付く。



『なっ、なおとさんっ』


直人「ん･･？」


『私この格好･･･っ？』



昨日、岩ちゃんと健二郎さんに連れられて買いに行ったベビードール。
ほぼ無理やりプレゼントされて、かわいいと思ったけど、着る予定は無くて。




無かったはずなのに･･･




直人「俺に見せびらかしてたじゃん。
かわいくないですかー？って甘えてさぁ。笑

･･･ふぁ･･･覚えてない？」


欠伸をしながら答える直人さん。



『まったく記憶に･･･っくしゅ』



直人「･･･まぁ、いいからおいで。
なんか顔赤いしくしゃみ出てるし熱あんじゃね？」



そういうと、私のおでこと直人さんのおでこがくっつく。




『っち、近い』


直人「近いとか今さら言わないの。

んー？･･･香奈ー、熱い。熱あるよ。」

『え･･･？』



そう言われると目が覚めてからずっと寒い。



直人「慣れない薄着でソファーなんかで寝てるからだ、ばーか」

そう言いながら優しく抱きしめ直してくれる。




直人「今日休みでよかった･･･良くなるまでこうしとこーな」

『せっかくの休みなのにっ
も、勿体無いですよー･･･』


直人「もったいなくなーい。
俺がそうしたいから良いの。はい、香奈も大人しくする」


『はーい･･･ありがとうございます』


直人「素直でよろしい」




そうやって優しく微笑む直人さんは王子様みたいにキラキラして見えた。

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