君のせい (ページ19)

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19.距離ページ19

『直人さん･･･私、来てよかったです。本当にありがとうございます』

直人「待った！まだ合格じゃないからね、しっかり頑張って」

『はい！
あ、打ち合わせでしたよね？私、今日はこのまま帰ります』

直人「そっか･･、今日は付き合ってくれてありがとう。
気をつけて帰ってね」

『付き合ってもらったのは私のほうです！本当にありがとうございました。
お仕事、頑張ってくださいね』

直人「あのっさ、
連絡先教えて貰っていいかな？」

『え？』

直人「今後、連絡取ること増えると思うから。
事務所来れるときは連絡して？迎え行くから」

『いや、そこまでして頂くわけには･･･っ』

直人「俺がしたいの、だから甘えてよ。ね？

じゃぁ、時間もないし･･とりあえずコレ俺の番号！
登録してワン切りしてて!後からかけ直す」

そう言って番号が書かれた走り書きのメモを渡される。

そのメモを受け取って、我に返る。

今まで直人さん、HIROさんと普通に話せていた自分が恐ろしい。

『ええ、え、え、え、、え、え！！！！！』

直人「いや、慌て過ぎだから」

『直人さん、私っ･･一般人ですよ？！！いいんですか？ばら撒いちゃう可能性だってっ！』

くっ、ははははっ

っと噴出して笑う直人さん。

あー、やばいめちゃかわいいっ、直人さん、かわいすぎる。

直人「そういうのいいから。笑
それにここまで連れて来てるんだから信用してるよ。
てことで、絶対入れろよ？入れなかったら、次会ったとき無視するからなっ!」

出ました！キラキラ童顔スマイル！
ちゃっかり直人さんの優しさに甘えてメモを受け取る。

『っ分かりました！無視は嫌なので必ず入れます！笑』

この笑顔には勝てません。
ついつい自分を見失う。

距離が近くなった気がして
浮かれる自分にはっとする。

でもすぐに最後の笑顔を思い出して

やっぱり、かわいいなぁって思って癒される。

重症でした。笑

そんなこんなで自宅に戻り、
言われたとおりワン切りで直人さんへ一度連絡をいれる。

ふーっと

深く息を吐いた私は

社長室を出た瞬間の決心がぶれないよう、ペンを走らせた。

私の決心それは

このチャンスにすべてをかけること。