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正直ものすごく躊躇った。

“視線が怖い”

こんなことを言っても理解されるのだろうか。

精神的に病んでるような発言に引いてしまうような人も世の中には沢山いる。

でも言うしかない現状。
不思議とお得意の嘘をつくということは頭になかった。

「…視線が怖いんです」

一言、そう言った。

「え…」

A先生は驚いたような顔をした。

引かれたかな、って不安になったが。

「ごめん、私の視線怖かった?」

今度は私が固まる番。

「違います!先生のせいじゃなくて!!」

申し訳なさそうな顔の先生に非常に焦って弁解する。

すると先生はホッとした顔になって、私もなんとか落ち着いた。

「私もね、視線怖いって感じることあるよ。年上の人に怒られたりすると怖いよね」

A先生は私の引かれるかもしれないという不安を理解してたわけではないかもしれない。

だけど怖いという気持ちをわかろうとしてくれた。

思い出した。
“私は全然すごい人じゃない”
この言葉がなぜ印象的だったのか。

この時も言ってくれたんだ。

「私は全然すごい人じゃないからさ、一緒に頑張ろう」

確かこんな感じのことを。


「すみません、ひき止めちゃって…ありがとうございました」

先生にペコッと頭を下げる。

「気をつけて帰りなよ」

先生は特に詳しく言及することはなかった。


緊張した……。

我ながらよくここまで出来たと思う。

自分が怖いものを話してまで誤解を解こうなんて今まで絶対にしてこなかったことだ。

A先生に惹かれ、憧れた。
このときまでは。

いや、本当は一目惚れだったのかもしれない。

今さら確認のしようがないけれど、少なくともこのときはまだバイである自覚がなく、人として好き、又はアイドルのような存在として好きだと思っていた。

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設定タグ:バイセクシャル , 私事 , オリジナル   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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アレン - 蒼井飛鳥さん» コメントありがとうございます。面白いって思っていただけて嬉しいです!なかなか更新が出来ない状態ですが、これからもよろしくお願いします。 (2018年3月17日 8時) (レス) id: 418e54c30c (このIDを非表示/違反報告)
蒼井飛鳥(プロフ) - コメント失礼します。私もバイで、同じような方がいるかと占ツクを彷徨っていたらこの作品に出会いました。とてもわかりやすくて、こんなこと言ったら何ですが面白かったです。応援しています! (2018年3月14日 6時) (レス) id: c15e0519de (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アレン | 作成日時:2018年1月17日 7時

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