【佐久早聖臣】この病の名前は恋ではない

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A「なんで言っちゃうんですか…！」

佐久早「だって、諦めてくれそうって…それなら教えたほうが早いじゃん」

A「あんなただの当て付けに決まってるじゃないですか…それに、佐久早くんの言っていた子とは違うかもしれませんよ？」





その後の帰路。

誘惑の言葉に負け、クラスに公表することになった彼女役の私。



あの後、思いの外みんな上々で話を聞きに来た。

音花には「水臭い！」と怒られ、女子組には「顔は好みだけど、付き合うとなれば苦労しそうだから私達は別にいいかなー…頑張れ！」と、非難どころか同情されつつ背中をおされる始末。



…最近の女子は目の保養と本命はまた違うようで。





A「…まぁ、もういいですけど…それで諦めてくれる、なんて訳ありませんので…まだ付きまとわれるということを覚えておいたほうがいいですよ」

佐久早「まぁ…その時は頑張ってもらうし」

A「…、あのですねぇ…」





こちらを見ながらそう言う彼に、私はこめかみが動いたような気がした。

人の気も知らないで…この人は私を対女用除菌道具とでも思っているのでしょうか？



大きなため息をつきつつも、怒っても仕方ないので次の話題へ。





A「はぁ…そういえば、今度の日曜にバレーの大会があるそうですが…ほんとですか？」

佐久早「は？なんで知ってんの？」

A「音花が言ってました、行こうか悩んでまして」

佐久早「………」





そう言うと、黙り込む彼。



…あれ、なんかまずいこと言いましたっけ？





佐久早「………いいんじゃない」

A「え、」

佐久早「好きにすれば」

A「…そうですか、」





素っ気ない返事を返され、私はまた悩むことに。



…以前、彼に聞かれたけど答えてない件を伝えようか迷う。

それについて口を開きかけたが、偽物彼氏には必ずしも言う必要なんてない訳で。





A「…まぁ、気が向いたら」





それに関して、私も曖昧な返事だけを返しておいた。



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