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音花「よかった…!A来てくれないかと…!!」
A「…もうしないでくださいね?」
音花「うん…Aに嫌われるのツラいからもうしない…」
A「…ふふ、合わせる?」
音花「! …やる!」
バレーの予選大会3日目。
顔を合わせるなり泣きそうな顔の音花。
少しやりすぎたかなと反省しつつ、お詫びも兼ねて早速試合前に合わせる。
そして試合が始まる前の応援演奏にはすっかりいつもの私達に。
A「これと…次勝てば全国でしたっけ?」
音花「たしか!」
A「…これだけ勝っても、まだ勝たなきゃ全国行けないんですね」
そう考えたら、思わず苦い顔になる私。
しかし音花に背中を強く叩かれてしまう。
音花「私達がそんな顔してどーすんの!応援で勝たせてやろうよ?」
A「てて…、…そうでしたね、勝ってもらわなきゃ骨折り損ですから」
音花「Aの場合、持ち運びも扱いもかかるから余計にね!」
A「ほんとですよ…私のグラスハープが聞けるのはレアだって、少しはわかってくれればいいですけどね」
肩をすくめながら、広いコートに目を向ける。
そこには勿論、彼も居るが…目が合ったかと思えば直ぐに逸らされてしまう。
音花「…昨日さ、実はAの顔見て安心したんだー」
A「へ、どうしてです?」
音花「佐久早くんと付き合うことに関して、なんも言ってくれなかったからさ」
A「それは…すいません、」
それは私も予測不能でしたからねっ!!
と、心の中で叫ぶ。
とはいえ、彼女に言えなかった罪悪感に良心が蝕まれる。
そんなの嘘で、私が選ばれた理由が「よく手を洗ってるから」なんて知ったら彼女は怒り狂うだろうから、今となっては口が裂けても言えない。
音花「でも好きになることに理由がないこともあるし、余計なお世話だったわ」
A「…まぁ、そういう経験がないせいでしっくりきませんけどね…」
またどこかズレているものの、そのままはぐらかしておく。
…本物の恋愛よりも先に偽の恋愛を経験してしまうなんて皮肉だなぁ…とか思ったり。
__ましてや清潔であれば誰でも良かった、なんて言われずともわかってる。
音花「お陰であんたら両方奥手なのもわかったから…なんかあったら頼ってよ?」
A「…うん、ごめんね、ありがとう音花」
甘えてばっかりだなぁ…と心苦しくも彼女に笑みを見せた。
*
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氷水(プロフ) - 不協和音さん» 修正しようと思ってます!44巻も出たし、佐久早くんが先輩に対して「ちゃんと敬意はらえるんだこの子っ!!(超失礼)」とかの態度とかもわかったので、続編出るまでお恥ずかしいですがこのままお待ちくださいませ…(笑)ご指摘と素敵なコメントありがとうございます!! (2020年8月13日 20時) (レス) id: b2d8d7cb3b (このIDを非表示/違反報告)
氷水(プロフ) - 不協和音さん» おわーっ!コメントありがとうございます!!久々にほめられて舞い上がっちゃいます…!!質問なんですが、これ書いたのが2020/2月でして、本誌で飯綱くん出たばっかで名前とセッターと主将しかみてなくて、3年なの見落として書いてます…(笑)続編出す際に一緒に→ (2020年8月13日 20時) (レス) id: b2d8d7cb3b (このIDを非表示/違反報告)
不協和音(プロフ) - 面白くて読ませて頂いてます!あの、質問なのですが…飯鋼君は2年生設定なんですか?? (2020年8月13日 18時) (レス) id: a4ec8b23ee (このIDを非表示/違反報告)
氷水(プロフ) - チベスナさん» 2でのご意見ありがとうございます!他の作品に比べて、私の書く小説の佐久早くん大人しいですけど…好きになってくれたのであれば本望です…!!もっと好きになる呪いをかけておきますね… (2020年4月24日 21時) (レス) id: b2d8d7cb3b (このIDを非表示/違反報告)
氷水(プロフ) - 夕妃さん» ご意見ありがとうございますー!佐久早くんを好きになってもらうはずが私まで…!?へへ、ありがとうございます!応援に応えられるような作品になるよう、頑張らせていただきますー!! (2020年4月24日 21時) (レス) id: b2d8d7cb3b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:氷水 | 作成日時:2020年3月26日 17時