アイスの時間 . ページ7
.
ハマくんが来た時は、100パーセント寝る前にアイスを食べる。
もう、お決まりのこと。
「 さむさむ〜 」
「 さむさむ〜 」
「 マネすんな 」
「 へへへ 」
冷凍庫から、ひとつずつアイスを取ってコタツまでふたりで早歩き。
ボフッて脚を入れるとじんわり温かいのが体に広がる。
ああー幸せ。
冬のコタツは天国すぎる。
隣には、きな粉のアイスを開けてむっちゃ美味そうやん！当たりや！ってはしゃいでるハマくん。
このことを平和というのだろう。
「 どれどれ〜 」
「 ほら、見てみ 」
「 わ！それは当たり！」
「 Aはなんにした？」
「 クッキークリームバニラ 」
「 安定を取ったな 」
「 バレましたか(笑) 」
ハマくんが来た時は絶対にこの時間があるから。
アイスを買いだめしておくのは毎度のことで。
適当に選んで買ったアイスの中から、ふたりでどれにするか冷凍庫を開けて選ぶのが楽しい時間でもある。
「 「 うま〜 」」
同時に声を上げて、くすくすと笑った。
目の前ではテレビがついてるけど全く見ていないくらいどっちもアイスに夢中。
「 なぁ、クッキーのやつちょっとちょうだい 」
「 いいよ。はい 」
「 … ん、安定、うま。」
ハマくんがモグモグとしたあと。
じーっと待ってみる。
ちらっとこっちを見たけどふつうにきな粉のアイスを食べて、にまにまして。
「 … ちょーだい 」
「 んふ、はい(笑) 」
おっきくすくって、口に運ばれたきな粉アイス。
パクッと食べるときな粉の独特な風味が広がる。
バニラときな粉ってすんごく合うんだなぁ。
なんて、思ってると。
長い指が伸びてきた。
口元を見ながら、舌を出す。
「 きな粉、ついてる 」
「 取って 」
「 ええよ 」
指で取ってくれるのを待ってたら、口の端がペロッと舐められた感覚がした。
「 … 舐めてって言ってないよ 」
「 取ってって言うた 」
「 それは言ったけど 」
「 ほんまに、隙多い女(笑) 」
ハマくんは、糖度高めのアイスより、甘い。
私の心を蕩けさせるのは
いつだって、ハマくんだけだ。
.
終わり
ログインすれば
この作者の新作が読める(完全無料)
←ドライヤー .
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ましゅ | 作成日時：2020年10月24日 19時
