ふたりでご飯 . ページ3
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「 ほい、卵割るか？」
「 ん。ありがとう 」
「 割ったろか、俺が 」
「 自分で割れるよ(笑) 」
卵を割って掻き混ぜてると、私のそれが終わるまでじーっと待ってる。
ああ、そっか。
早くしないと。
ｸﾙ、ｸﾙｸﾙｸﾙ…
「 なんで焦ってんねん(笑) 」
「 だってハマくん絶対待ってるんだもん 」
「 ええて、ゆっくりして 」
「 …！よし、出来ました！」
「 ほい、皿貸して(笑) 」
長い菜箸で掴まれた大きなお肉。
ファーストお肉は全て私のものになる。
すき焼きでもしゃぶしゃぶでも焼肉でも、それは同じで。ハマくんは最初に私の皿に乗せてくれるのだ。
「 はい。いっぱい食べ 」
渡される温かい器と、にこにこ笑顔。
私この時間が本当に好きだなぁって常々思う。
冬の寒い日に染みすぎて、心臓痛いよ。
あ、そうだった。
お酒とお惣菜。
「 ハマくん、あの大好きなお酒買ってきた 」
「 苺のやつ？」
「 違う(笑) 私のじゃなくてハマくんの好きなやつ 」
「 … ああー、オレンジのやつ？」
「 そう！ちょい待ってね 」
がさごそと、袋を探る私を見て優しく微笑んでる顔。
「 … はい！これ〜 」
「 ふふ (笑) ありがとう、でかした！犬 」
「 わん？(笑) 」
なでなでされて、恥ずかしくて目を逸らしたらぐいっと顔を固定された。
「 なに〜 、」
「 俺の好きなもん買ってきてくれたん？」
「 … うん、そうだけど 」
「 はぁー あかん！好きすぎる 」
「 わああ ちょ、ハマくん！？」
顔が近ーくなって、ちゅっと触れるだけのキス。
お鍋のグツグツとした音だけが静かに響く。
「 ハマくん、お酒一緒に飲む？」
「 飲む 」
「 じゃあ私がソーダ割りで作ってあげ、」
「 俺がやる。Aは座ってて 」
「 えー大丈夫だよ 」
「 ほら肉いっぱいあるから食べといて 」
さっきよりも、こんもりと乗せられたお肉。
自分は全然食べてないくせに向かいでお酒の蓋を開けながらにこにこしてる。
ほんとに、自分で言うのもなんですが。
甘やかしがすぎるんじゃないですか？
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作者名：ましゅ | 作成日時：2020年10月24日 19時
