お出迎え . ページ2
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鍵を鍵穴にさすと、ドアの向こうでドッドッて歩く音が聞こえた。
はやぁ …。
「 ただいま〜…うわぁっ、とっ！… 」
「 おそい 」
ドアを開けたと同時に引き寄せられた、腰。
かなり、近いんですが。
ハマくんよ。
上を見上げると、私のほっぺを大きい手でごしごしと触った。さっきムスッてしてた顔がもう笑ってる。
「 可愛い。おかえりA 」
「 へへ。ただいま、ただいま 」
「 俺、ずっと待ってたで 」
「 ん。ありがとねハマくん 」
玄関でこれを行うのは、もう毎度のこと。
冷えたほっぺをウリウリされて顔を近づけられる。
多分。ハマくん的には、体を温めてくれてるんだと思う(笑)
しばらくして、靴を脱いで上がると。
リビングに向かうまでの大きな後ろ姿から声がした。
「 ちゃんと、タクシー乗って帰ってきた？」
「 …んーん。ハマくんが心配するから途中小走りで帰ってきたよ 」
「 っ！…やから乗れ言うたやろ、すぐ帰ってきたから乗って帰ってきたんかと思ったわ 」
もうーってまた、ムスッてしたハマくんにごめんねって笑って言うと無言のぎゅっ。
だいぶ苦しいんですけど…。
「 もう今日はお仕置やな 」
「 え、なんでよ 」
「 俺を心配させた罰 」
「 たかが、タクシーで！？」
「 … 覚悟しときや (笑) 」
にやっと口角をあげる顔は、普通にオオカミ。
カワウソじゃなくてオオカミ。
大きな耳と尻尾のある。
今日はもう、寝られない。
お酒たくさん買ってきちゃったのもこうなったら余計だったかも …なんて。
「 はい、手洗ってきて 」
「 はーい … 今日ご飯なに？いい匂いする〜 」
「 すき焼き 」
「 わ〜い、美味しそ〜 」
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作者名：ましゅ | 作成日時：2020年10月24日 19時
