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体育祭を1週間後に控えた学校は浮き足立っていた。
あちこちで体育祭の練習の様子と、それから海原祭の準備が並行して行われている。
クラス対抗リレーの練習を終えた私は、コスプレ衣装の買い出しに来ていた。
こういう時、帰宅部は良い様に使われがちである。
「コスプレの衣装なんて何が良いかわかんねえよ」
一緒に買い出しに来ていた男子が文句を言った。
「そうだね」
適当に同意してみる。
買い出しに来たメンバーは他にもあと男女1人ずついたけれど、2人は喫茶で提供する食材の買い出しに行く為に二手に別れた所だった。
「お前は？何が良いとかないの？」
「特に」
「お前って何か冷たいよな」
「そう？」
「そーなの」
勝手に人の事冷たいなんて言える人の方がよっぽど冷たいと思う。と、思ったけれど目の前のクラスメイトの名前さえろくに思い出せない私は、やっぱり冷たいやつなのかもしれない。
そんな事を考えながら適当に当たり障りない衣装を選んでいく。
もう少し時間がかかるということで食材班の2人は置いて、名前も思い出せないクラスメイトと2人、学校へと向かう道を歩いていた。
「なあ」
「はい」
「お前ってあの仁王雅治と付き合ってんの？」
「におーくんと？別にそういうのじゃないよ」
「ふーん」
どうしてこういう人は土足で人のプライベートを踏み荒らそうとするんだろうか。放っておいてくれたら良いのに。
「じゃあさ」
男の右手が私の左手を掴んだ。
その瞬間、ぞわりと全身を寒気が走る。
「俺と付き合ってよ」
「離して」
ギラギラした目で私を見つめる男。
「どうせ仁王ともやってんだろ」
におーくんはそんな事しない。
優しい彼は私の嫌がる事なんてしないし、人との適正な距離の保ち方を知っている。
私の暗い部分を無理に見せろと言わない。
目の前の男が怖かった。
「におーくんはそんな人じゃ」
カシャ。
カメラのシャッターを切る音が聞こえた。
「へぇ〜お前らこんなところでお熱いじゃん」
「お前、」
男が間抜けな声を上げた。
「どーも」
鋭い眼光で男を見つめていたのは丸井だった。
「お前、確かサッカー部だろぃ？良いのかよ、女にこんな事して」
この写真、顧問に見せたらどうなるかな〜。あ、もしかして次の試合出場出来ないとか？
丸井はそう囃し立てながら、悪い顔をしてニタリと笑った。
男は駆け出して行った。
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吹雪彩香 - 初めまして作品見ました。続きの更新頑張ってください^ - ^ (2020年3月16日 9時) (
レス) id: 9f5e24e49c (このIDを非表示/違反報告)
凛樹(プロフ) - スタルさん» コメントありがとうございます。気に入って頂けて良かったです！更新は気長にお待ちください〜！ (2020年3月13日 21時) (レス) id: 1df7087ebd (このIDを非表示/違反報告)
スタル(プロフ) - はじめまして！今日初めてこの作品を見つけました。一話一話の内容が濃くて、とても面白くて、どストライクな小説です。更新楽しみにしてます！ (2020年3月13日 2時) (レス) id: 9151c972bb (このIDを非表示/違反報告)
凛樹(プロフ) - ユイさん» 初めまして！コメントありがとうございます。2人は救われるのか、じゃあ救われる結末って一体何なのか、って考えながら読んで下さると嬉しいです。更新頑張ります！ (2020年2月25日 1時) (レス) id: 1df7087ebd (このIDを非表示/違反報告)
ユイ(プロフ) - はじめまして。いつも楽しみに読ませていただいてます。ふわりとした停滞した雰囲気の中着実に進んでいるような感じがとても素敵です。……これは聞いていいのでしょうか。2人は救われるんですかね？更新がんばってください。素敵な作品をありがとうございます。 (2020年2月24日 23時) (レス) id: bc4674a53d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：凛樹 | 作成日時：2019年10月15日 2時
