愛してるよバイバイ。2 TH

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TH「母さんが、今おうちにいるの？」









「うん…ぐすんっ……。お母さんが…お父さんが帰ってこないって怒って…………」









両親はお互いに仕事が忙しく





最近は特にピリピリしていた。









この頃は




滅多に帰って来なくなった。









でも、






仕事って言ってたけど




違うって子供なりに分かってた。









久々に帰ってきて




お父さんからする甘い香水の匂い。









お母さんからする



お酒の臭い。









もともと私に冷たかった両親。









最近は冷たいどころか









授業参観も学校行事も、









いつもテヒョンオッパだけ。









私に冷たい理由は分からなかった。









けどその分、テヒョンオッパがそれを埋めるように私にしてくれた。







だから、寂しさに耐えられた。









でも、この頃から



お母さんが私に暴力を振り始めて……









私は、泣いてばかり。








テヒョンオッパが居ないと




何をされるか分からない。









生きていけない。









TH「じゃあ、今日はオッパとクレープでも食べに行こうか！」







そう言って手をとって歩き出すオッパ。









遠くから見た2人の背中。






オッパの背中はやっぱり大きくて






私のヒーローで、無くてはならない存在。








その2人の背中をみつめていると







頬を冷たいものが伝った。









『な…みだ…？……私、泣いてるの…？』







泣いたの何年ぶりだっけ………







そう呟いた時、







遠くに歩いて行ったテヒョンオッパが








突然振り向いて









TH「……イヒヒッ」








何を言ったか聞こえなかったけど







何か言った後 笑った。









四角いくちで




クシャッとした笑顔で。









『えっ…………？』









あぁ、









これだ、









ずっと抱いてた違和感。









テヒョンオッパ…








10年前のあの日から





心から笑わなくなった。









違和感の正体は、







私の大好きだったあの笑顔だったんだ。









テヒョンオッパと私の







2人の後ろ姿が遠くになるにつれて








辺りは真っ暗になり何も見えなくなった。

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