貴方は姫になれない【シャドウサイド】

25話 ページ26

放課後


私は家に帰ってカフェの割引券を持って、待ち合わせ場所に向かう。



神谷さんは「もうさくら元町には慣れたので、場所は何処でもいいですよ！」と言ってくれた。



待ち合わせ場所に選んだのは公園。



前に来た時とは違う場所にした。



貴「あ、もう来てたんだ…」



早いね…。



神「あ！瑞瀬ちゃん！」



貴「早かったね」



神「楽しみにしてたので…」



えへへ…と笑う姿はとても愛らしい。



貴「じゃあ行こっか」



神「はい！」




＊




inカフェ


私達は注文を終えた。



貴「ねぇ…神谷さん…」



神「な、なんですか…？」



そろそろ本題に入らないと…。



貴「あの時の事なんだけど…」



神「っ…」



あ、『あの時』で通じた…。



貴「どうしてあの時…姫乃さんの悪口なんて言ったの…？」



神「そ、それは…」



貴「ゆっくりでも良いから、話してほしいの…」




無理に問い詰めちゃ駄目だからね…。



神「私は…」



神「ただ、欲しかっただけなんです…」



『欲しかった』…？



貴「何を…？」



神「それは…『愛』です…」



『愛』…。ということは、あの時の声は神谷さんのもので間違いない。



神「私は、ただ…愛されたかっただけなんです…！だから…それで…」



貴「そっか…」



そうなんだ…。




やっと全てが分かったよ…！

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