Those who create the future 参～誇り高き未来へ～ (ページ7)

今日:1 hit、昨日:1 hit、合計:11,726 hit

１０９ﾍﾟｰｼﾞ彼の本音ページ7

彼が退院する前

A達は無事だろうか

と

先に進んでいるAたちが心配で心配で仕方がなかった

自分にとって、彼らは大切な"仲間"だからだ

幼き日に会った少女と、まさか再び会うことが出来るなど誰が思うだろうか

でもダメだ

彼女には彼がいる

彼女を愛している者がいる

そんなことを考えながら、外の風景を、まだ見えもしないのに眺めていると、誰か……3人ぐらいが自分の部屋に入ってきた

「花京院君、そろそろ目の方も回復してきたかしら……？」

ああ。いつもの医師か……

確かに回復してきた気はするがまだ完治しているような気はしない……

「あ……えっと。そのまま目を閉じていてくれないかしら……？今包帯を外すからね」

「あ……はい。」

僕が返事すると、医師はそっと包帯を外し出した

それも丁寧に、ゆっくりと

折り紙で鶴を折るように丁寧に……

「そう……花京院君」

彼女が僕に問掛ける

手の動きは止まっている

「なんでしょうか……？」

「Aさん、って……あなたにとって大切な人？」

「えっ？」

驚いた

なぜ急にそんなことを聞くのかと

「フフ。ごめんなさい？時々寝言で名前を呼んでたから」

なんてことだ

僕は無意識にAを呼んでいたのか？！

「ええ……僕たち……僕にとってとても、大切な人です。彼女は……」

目の痛みがスっと消えていくようだ

心のどこかが軽くなった気がする

ずっと言いたくて言えなかった言葉

「フフ。それを、彼女に伝えてあげてね？」

「えぇ」

勿論

心の奥でそう誓った

必ず、キミを守ってみせると……

☆☆☆☆☆

病院の前に佇む男が1人

「抗え少年……これでキミ運命も変わる……」

ギターを携え、またふらりと消えていく

かつてAに運命を語った男

現在は演奏旅行中の男だ

「キミたちのダイヤモンドのように固く、過去から受け継がれ、未来へと繋がる想いと祈りに安寧の願いをのせて……」

お前なら打ち破れるさ

承太郎

お前はおれの息子なんだからな

男の名は空条貞夫

未来への遺産を見守る者

☆☆☆☆☆

彼女の名はA・ツェペリ

死の運命を背負う者

しかし、それに抗い打ち壊す者

彼の名はスペランツァ・ツェペリ

絶望から希望へと照らす者

彼の名はヒューズ・F・シュトロハイム

あらゆる運命を変え、自らの運命を捧げる者

決着を付けよう

無限に続くこの悲しき運命に