あなたの傍に~夢主side ページ8
楽しい授業時間を終えると、
辺りはもうすっかり夕焼け色に染まっていた
私は教材の片づけをして、リーマスの元に向かった
歩きながら茜色のホグワーツを見ていると
少しずつ穏やかな気持ちになっていった
いつもなら楽しい道のりも
今日は自然と重い足取りになってしまう…
貴『はぁ…リーマスは大丈夫でしょうか…』
そう、明日は満月の日
いつもは笑顔のリーマスもこの日ばかりは臥せってしまう
そして何より、朝から夕方にかけての時間は
私も授業があってリーマスとは会えない
一番辛いのは彼と会えない事……いいえ、違いますね……
彼の辛そうな姿を見る事は私にとって本当に悲しくて仕方がないのです
学生時代の時からそう…毎晩、満月の時は物悲しそうに
彼は決まって私の名前を呼ぶ…まるで寂しいとでも言うように
叫びの屋敷で彼は、人狼と化す
だから私は白狐の姿になり、彼が寂しくないように夜が明けるまで傍にいる
でも、人狼になってもリーマスは私を傷つけた事はない
そればかりか横に寄り添って優しく包み込んでくれる
何故ですか、とあなたに問いかけたくなる
苦しいはずなのにいつも私の前で気丈に振る舞おうとして…
いつもみたいに労わるように私の頬を撫でて…
あなたは優し過ぎる…この世界に似つかわしくない程
本当は私があなたを癒すべきですのに…
ですから今夜ばかりは私に癒させて下さい、リーマス
終わり
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作者名：麗扇姫 x他1人 | 作成日時：2017年4月25日 17時
