亡くなった幼馴染 ページ2
今日で彼女が亡くなってから八年…。
言い方を少し変えると「命日」になる。
私にはあまり時間が経ってないように思える。
もう、八年も経ったのだ。
否、まだ八年しか経っていない。
人は約百年生きることになる。まぁ、勿論それより短かったりする場合もあるのだが。
彼女はその中、五年しか生きていないのだ。
それは、小学校にも通っていない年齢。
どう考えても、早い様にしか思えない。
でも、之は私だから言える台詞なのかもしれない。
まだ朝の時間。
私は準備をして、玄関に向かう。
棚の上には、まだ小さい私と、生きていた頃の彼女が写っていた。
その写真には、私達が知り合った公園が写っている。そしてその前に、私と彼女が笑ってピースをしていた。
あの時はまだ、知り合って一ヶ月も経っていなかったと思う。
この写真があるから、私は前を向いて歩いている_。
私はそう思うんだ。
私は廊下を歩き、玄関前に向かった。
下を見ると、まだケースケは学校に向かっていない様だった。
私はまだそう古くない靴を履き、外へ出た。
ドアを閉めると、カチャンと音が鳴る。
そして空を見ると、太陽がキラキラ光っている。雲もある程度漂っており、晴天だった。
私とは真反対だと思う。
私はそんな気持ちを払い、学校へ向かった。
時々、彼女が生きていれば、一人で歩くこの道も、楽しかったのだろうかと思う時もある。
でも、そんなにネガティヴだと、彼女に怒られてしまう。
何時もは普通に感じるこの道のりも、こんな事を考えると長く感じた。
*
私は教室に向かい、席に座った。
教室に入る前はトウマとも会い、少し駄弁りながら向かった。
鞄から教科書、ノート、筆記用具等を取り出し、机にしまう。
今思い返してみると。今日は教科書が少なく、あまり肩に負担がなかった。
すると、私に近づく影が一つ_。
「ねぇ、」
それは私と同じ部活の子だった。
その子の雰囲気は、少し暗く見えた。
「どうしたの?」
何か辛いことでもあったのか。
それとも、私に聞きづらい事でも聞きに来たのか。
自分の考えたことはまずありえないが、その子はモジモジとしていて、言おうかどうか迷っている。
「ナツメちゃん、最近元気ないからどうしたのかな?って思って…」
彼女は目を閉じてそう言った。
それだけこの事を言うのに迷ったのか。
確かに彼女はあまりハキハキとした子ではないが…。
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白波凛(プロフ) - 突然の長文コメント失礼します。幼馴染の死という重いテーマですがこちらがもらい泣きするほどナツメちゃんの気持ちが伝わってきました。文も見やすく纏めてあっていいと思います… (2019年6月5日 7時) (レス) id: 71ad0170cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紅華-Kureha- | 作成日時:2019年4月19日 23時