5 ページ5
申し訳ないがずっと一緒にいることはできないな。
さて、どうしようか。
お、洞窟発見。今日はここにいよう。
_____________________
俺は昔の記憶が曖昧だ。
昔と言っても一回死ぬ前の話だからもうどれだけ前なんだか。
少し昔話をしよう。
___________
俺は生まれた頃は人間だった。
普通の家庭に生まれ、普通に暮らして、普通に遊んでいた。
勉強もそれなりにできたし、お金にも困らなかった。
母も父も妹もみんな優しい団欒とした家庭だった。
しかし、そんな時間は一瞬で崩れる。
魔神族が俺の故郷で暴れた。
まだ、メリオダスも生まれてないのではないだろうか。
俺と父が用事でしばらく街を離れていた。
その仕事の最中に俺の住んでる街で魔神族が暴れまわっていると聞いて
父と街へすっ飛んでいった。
しかし時既に遅し。
母も妹も家と一緒に潰れていた。
近所のバルス爺さんも、俺とよく遊んでいた友達のウィリーも。
終いには父さんまで俺をかばって死んだ。
魔神族の暴走が終わったとき、この街の生存者は俺だけだった。
生きる価値もないと考え俺は父さんが魔神族に必死に対抗したときに持っていたナイフを手に取り、
死のうとした。
しっかり首に刺さった。痛かった。でも、、死ねなかった。
何でだ?何であのとき俺は死ねなかった?今でもわからない。
それでもちゃんと視界がぼやけてきた。
__あぁ。俺は死ぬんだ。よかった。
死ぬことを確信した。
「死なせないよ。」
少女の声が聞こえた。その時は幻聴か。と思っていたが、
「君はボクの恋人なんだから。」
俺に恋人はいない。
女の子の友達に告白されたことはあるが断った。
まさかその子か?いや、そんなわけ無いか。
「キミはボクにピッタリの人間だ。」
その後はもう少女の声は聞こえなかった。
どれぐらい経っただろうか。
静かに目を開ける。
「、、生きてる、、。」
悔しかった。何で彼奴等は死んで俺は生きてなきゃいけないんだ。
俺はそのまま暴走した。決して街を壊したりはしていない。
ただそれを人間にみられ、なんの種族でもないみたいなことを言われ、執拗に求められている。
3人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:motiasu?♪ | 作成日時:2021年9月6日 14時