８話 ページ9
クロもやっくんや海さんと行くと聞いて、なし崩し的に研磨を誘うことになった。
(ほら、引きこもりすぎは良くないって言うじゃん！！)
そう、これは不可抗力。私が誘いたかったわけではない。あくまで不可抗力なのだ。
なのに、いざとなるとここ数日誘えないばかりか、お祭りの話題さえ一回も出せないままに部活オフの休日を迎えてしまった。
こんなに緊張してちゃ、まるで＿＿＿
『本当にデートに誘おうとしてるみたいじゃ』
「え、A彼氏いたの」
『んぎゃーーッッッ！！！』
まさかのひょっこり、ご本人様が降臨しなさった。ごめんよ虎、この登場結構ビビるね。ビビりとか言ってごめん。
「うわ… そんなに驚く？」
うわってなんだうわって！！そりゃ驚くだろうよ本人来たら！！！
と言うわけにもいかず、とっさに浮かんだのは夏の風物詩、ラジオ体操。状況に見合わない回想は止めていただきたい。
『あー今超夏バテでさぁ！！元気ウルトラピンピンなんだよね！！ハハッハハハハハ！！！』
ぐるんぐるんと勢いよく腕を回す素振りをすると、「いや逆じゃない？？有り余ってるよ元気」と返ってくる。しまった、間違えた。
「まぁ、落ち込んでたわけじゃないなら。
スーパー行くんでしょ、一緒に行こ」
渾身のラジオ体操第一が功を奏したのか、ひとまず誤魔化せたみたいだ。
…これただの変な人じゃないか？という疑問は頭にしまっておこう。
『当ったり〜！ でも、何で？』
「簡単だよ。それ、いつも持ってるでしょ」
それ、といって指を指したのは私が愛用しているエコバッグ(子猫の柄入り)。なるほど、流石の洞察力。
『待って、私も当てる。
…さては、安いアイスを狙いに来たな？』
「お見事。Aもすごいじゃん、エスパー？」
『伊達に今日の折り込みチラシ読み込んでませんよーだ』
そうかと思った、と涼しげに笑う研磨。同時に吹いた風が、カーブミラー上の街路樹を揺らす。
「コンビニのは高いんだよね」と節約ママのようなことを言いながら、一緒にスーパーへ向かった。
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ねぎ - Rioさん» コメントありがとうございます！嬉しいです、励みになります〜!! (2022年9月27日 23時) (
レス) id: 124a1bc937 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - 今晩、凄く素敵な小説を見てびっくりしました！更新、楽しみにしてます！(／^_^) ( 初対面なのにゴメンナサイ！) (2022年9月24日 19時) (レス) @page16 id: 9824f121c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねぎ＋ | 作成日時：2022年7月7日 21時
