5話 ページ6
『よっす』
「うお、Aか」
『うおって何さ』
ただ今の時刻は14時30分。ちょうどおやつが食べたくなる頃合いである。
いつものように購買にパンを買いに行くか悩んでいた所、虎を見つけたため後ろからひょっこり顔を出したら驚かれた。そりゃそうだ。
「お前、また菓子パン買いに行くんだろ」
『わお、虎ってばいつの間にエスパーなっちゃったの?』
図星。この前も突かれた気がする、研磨あたりに。
私ってもしや思考が読みやすかったりするのか…?
「だって、週3くらいでここ通る上、カレーパンだのスナックパンだの抱えてるだろ」
なんだ、そういうことか。というかどちらにせよちゃっかり私のこと見てんじゃねぇか、名探偵虎さんよ。
『やだ奥様、お宅の虎クンてば同級生女子の行動パターン把握してますわよ』
「小芝居すんじゃねぇよ!」
言われてみればこの無駄に長い渡り廊下、購買に行くだけでも入学してから何回通ったか数え切れない。移動教室も含めたらそれこそ計り知れない回数だ。
__そっか。
もう二年生も、半分は過ぎたんだな。
早かったな、と思いつつ、クロや研磨は小学生から隣に居た分まるで実感が湧かない。
特に研磨。年がタメだし、クラスが同じになることは勿論、離れていても合同体育や学校行事で常に顔を合わせている。
(…そのせいかな)
いつも一緒にいるせいで、適切な距離感がつかめなくなってしまったのか。
だから最近、ふとした瞬間に胸が跳ねるんだ。小さい頃から、研磨の悪いところやかっこ悪いところを何回も見てきているのに、今更友達以上の感情抱くはずがない。
「たまには研磨の分も買っといてやれよ〜喜ぶぞアイツ」
…なんでここで研磨が出てくるんだ。
思考の海に沈んでいたところ、虎によって現実へ引き戻される。やっぱり心読んでただろ。
ここの購買にアップルパイはないし、そもそも研磨が食べ物がらみでわかりやすく喜ぶところ自体想像がつかない。幼なじみの私が保証する。
まぁ、たまにはいいか。あつあつカレーパンだけを持って夏の学校を歩くのは熱中症的にもよろしくない。
『わかった、買っとく…それと虎』
「?どうした」
『週3じゃなくて週4だよ』
「増えてんじゃねーか!」
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ねぎ - Rioさん» コメントありがとうございます!嬉しいです、励みになります〜!! (2022年9月27日 23時) (レス) id: 124a1bc937 (このIDを非表示/違反報告)
Rio - 今晩、凄く素敵な小説を見てびっくりしました!更新、楽しみにしてます!(/^_^) ( 初対面なのにゴメンナサイ!) (2022年9月24日 19時) (レス) @page16 id: 9824f121c1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ねぎ+ | 作成日時:2022年7月7日 21時