たとえ今日という日を忘れても ―ソードアート・オンライン― (ページ7)

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“付き纏うんだったら代わりに俺のレベリングに付き合え”

――コウリにそう言われ、俺と彼は翌朝の9時に第51層の転移門の前で待ち合わせした。

第51層主街区《カーネリア》は、建物や地面など、街の全てに灰色のレンガが使われた街だ。閑散とした雰囲気もあって、何処か切なげな印象を覚える。
比較的店が多く暮らしやすいとは思うが、街の雰囲気が明るくないので、ホームタウンとしてはあまり人気が無い。

9時前のカーネリアには小鳥のボイスサウンドと、疎らな人の足音だけが響いていた。たまにガラガラとシャッターを開ける音や、商人、職人愛用の《ベンダーズ・カーペット》を広げる音がする。

コウリのホームは、最前線の52層から僅か1層下の51層、このカーネリアにあるという。
昨日俺は彼を攻略組ではないと推測したが――根拠が全く無いから推測とは言えないかもしれない――もしかしたら、見当違いだったのかもしれない。
コウリは3週間程前からここに住んでいるらしい。その時期といえば、50層が攻略されて直ぐだ。ホームを最前線にするなんて、攻略組以外がするとは思えない。

(……そういや、コウリのレベルを知らないな)

攻略組、しかもソロプレイヤー(推定だが恐らく正しいと思われる)なら、俺と同じぐらい行っていてもおかしくない…。
俺のレベルは75だが、俺と同じぐらいのレベルなら少し腑に落ちない事がある。最前線とはいえ、昨日コウリが相手していたモンスターは彼処の迷宮区ではあまり強くない。75なら苦労はしない筈なのだ。

戦っているところは見てないけど…コウリは本当に実力が足りずに負けそうになっていたのだろうか？

「…何考え込んでんだよ」

「うわあ!あ、あぁおはようコウリ。早いね」

「…もう9時過ぎてるよ」

俯いて考え込んでいた俺は、コウリが街の中からではなく転移門の外から来た事に気付かなかった。

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これから、捏造ありの話には※マークを付けます。
今回はカーネリアが捏造でした。