たとえ今日という日を忘れても ―ソードアート・オンライン― (ページ6)

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―6― ※捏造ありページ6

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「…あいつでいいか」

ぽつり。呟くと、コウリは10mも距離がある崖下へと飛び降りた。
空中で狙いを付けたモンスターに足を向ける。すると、ふわりと仄かに赤くライトエフェクトを帯びる右足。
《体術》スキルの上位蹴り技、《閃流散》だ。

赤く光る足は真っ直ぐ群れの真ん中にいたターゲットのモンスターに直撃し、空中で身体を捻り、円を描くように足が一周する。周りにいたモンスター達に当たり、コウリの半径1m以内のモンスターが全て吹き飛ぶ。

空中でくるりと一回転して着地し、即座に背中の鞘から剣を引き抜く。自分の斜め右方向に剣が水平になるように構えると、剣が水色のライトエフェクトを帯びる。
――同時に、柄の黒いラインが、水色に輝いた。
それから1秒も掛からず、身体が右方向に回転を始め、普通ならあり得ない速度でぐりんっ!と回る。
片手直剣単発回転技、《サイクロン・アーク》

攻撃を受けたモンスターの全ての動きが、スローモーションのように遅くなった。
阻害効果(ﾃﾞﾊﾞﾌ)だ。硬直時間が解けて直ぐ後ろの3体に腰のベルトに装備していたダガーを投げ、前にいる6体に単発水平斬り、《ホリゾンタル》をかます。

――刹那、コウリの周りにいた全てのモンスターが、硝子堺を割ったような高い大音響と共に、ライトエフェクトとなって爆散した。

水色の光の粒子が舞う中、コウリが1つ息を吐いて剣を鞘に納めたと同時に体を金色のライトエフェクトが包む。その次に明るい音のファンファーレ。
レベルアップの証だ。一気に複数体のモンスターを倒した事によって、必要経験値を越したのだろう。
加算経験値とドロップアイテムリストのフォントを横目に、地面に転がったダガーを拾いながら視界右下の時刻表示に目をやる。

「うげ……9時、か。遅刻とかしたらアイツ煩そうだな…」

面倒くさい、と呟きながら、コウリは待ち合わせの転移門まで向かい始めた。

――9時までのおよそ3時間の戦闘は、コウリが毎日必ず行っているものだ。
6時から1度も回復せず黄色ゲージまで減ったHPバーを他人事のように眺め、ウィンドウからPOTをオブジェクト化させた。

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閃流散とサイクロン・アークは捏造でした。
あとデバフの《スロウ》も、原作に出てきてないので捏造です。これの詳しい設定はまた追々。