常初花の君 (ページ29)

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お父さんが高校生でバンドをしていたときによく使っていたらしい地下の部屋。

普段は用事がないと滅多に来ることはないから、入るのは久しぶりだ。

大「飲み物もってきたー。」

嶺「助かるー！めっちゃ喉乾いてた。」

各自が持っていた楽器を置いてわらわらと大光の所に集まってくる。

克樹くんはキーボードでその他の4人はギターかベースかな？

私にはギターとベースの見た目の違いがわからないから判断できない。

『大光はドラム？』

大「そう、かっこいいだろ。」

矢「確かにあのドラムはいいやつだよね。」

大「ドラムじゃなくて俺の話な？」

個人的には琳寧くんがドラムかなーっておもってたから少し意外だな、

なんて考えながら大光からお盆を受け取って飲み終わった人たちのコップを回収する。

琳「Aちゃん、この後練習みてく？」

『見たいんですけど、学校の宿題やらなくちゃいけないんですよね。』

嶺「そっかー、高校生は大変だね。」

別に急がなきゃいけないわけじゃないけど、部外者がいると集中できないかなと思って部屋に戻ることにした。