常初花の君

＊ ページ21

座り込んで目をパチパチしている矢花くんの手を引いて立たせる。


『矢花くんの仇！』


私が琳寧くんに思いっきり水をかけたのを皮切りに水の掛け合いが始まった。


克樹くんと今野くんも混じって、水をかけたりかけられたり、


背中にのって沈めようとしたり。


こっそり騒ぎに隠れて大光と琳寧くんの服の中ににカニを入れたのは内緒だ。


大「え、何かいるんだけど！背中！」


琳「琳寧の背中にも何かいる！！」


私のいたずらを見てたらしい克樹くんと二人の反応をお腹を抱えながら笑って、


その克樹くんは嶺亜くんにカニを入れられそうになって逃げ回っていた。


克「やだ！！逃してあげなよ！！」


嶺「逃すんじゃなくて克樹の服の中で飼ってあげなって笑。」


矢「こっわ笑。」


服も髪もべちゃべちゃだけど、気にならないぐらいはしゃいで笑って、


小さな頃から身近にあった海がこんなに楽しい特別な場所になるなんて思いもしなかった。

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