常初花の君 (ページ2)

今日:39 hit、昨日:13 hit、合計:50,864 hit

＊ページ2

手を洗ってリビングに行くと、そこにはお客さんの姿はなく母1人。

玄関にも知らない靴はなかったし、まだ準備の段階なのかな。車は故障して台車借りたのかも知れないし。

『ねぇお母さん、外のあの看板なに？』

母「あぁあれね、お母さん民宿始めようと思ってずっと準備してたの！
ほら、うち部屋たくさん余ってるし、お母さん暇だから。」

『看板出す前に教えてくれればよかったのに。
それで、お客さんは来そう？』

母「お客さんならもう来てるわよ？
あっ、琳寧くん！楽器の搬入は終わった？」

琳「終わりました！いやー地下室すごいっすね！」

お母さんの話している方を振り返って見ると1人の男の人がダンボールを抱えて立っていた。

母「この子がさっき言ったうちの娘ね。
A、この男の子が初めてのお客さんよ。」

琳「はじめまして、菅田琳寧です！高校生？制服とか懐かしい～！何ちゃん？」

『Aです。はじめまして、』

お客さん来るなら事前に言っておいてよ！という目でお母さんを睨むけど全く気づいていない。

通りで最近しつこく部屋を片付けるように言ってたわけだ。

『その、菅田さんは1人で来たんですか？』

琳「いや、琳寧も入れて6人だよ。それより菅田さんはやめてよ！琳寧くんとかりんちゃんって呼んで？」

今日から知らない男の人6人と一つ屋根の下で過ごすって考えるだけで頭が痛い。

平穏な夏休みが遠ざっていく予感がしてならない。