初めての感覚〜DH〜 ページ39
*
「これ、ファンの子が撮ってたのかな？」
「そうだろ、きっと」
「ハニ、いい顔してる」
可愛い女の子と、なにか楽しそうに話してるハニ。
女の子が話しかけた途端、ぱあっと花が咲いたみたいに笑顔が弾けて。
なんだか、胸がギュッと掴まれたような気がした。
なんだ？この感覚…。
「離れてるから何を言ってるかはわからないけど、口の動きからして
韓国語じゃなさそう。日本語かな？」
「かもね。あ、この女じゃない？カバンの中に手を入れてる。
何か怪しい」
すでに起きてしまった事なのに、
まるで今ここで起きてることを見ているような気がして握った手に汗がにじむ。
逃げろ！つい、そう心の中で叫んでしまう。
「あ！！」
「うわっ！」
一瞬、カメラがぶれて、撮影者も動揺してるのがわかる。
一度はハニから外れたカメラが再びハニを捉えた時、
すでにハニは倒れていてマネージャーの腕の中で失神してた。
胸の辺りが真っ赤に染まった白いワンピースの血は、顔をかばうために上げた腕を切られたから。
「この感じだと、そこまでひどい怪我じゃなさそうだけど…」
怪我の度合いなんて関係ない。
驚いて、恐怖に引き攣るハニの顔。
どんなに怖くて、驚いただろう。
今も、きっと切りつけられた腕よりも心が傷ついてるに違いない。
それを思うと、胸が張り裂けそうで…
俺だって、今すぐにでもハニの元に行ってやりたい。
「みんな、わかったぞ」
「マネヒョン、どうだった？」
「今、スタッフに連絡がついた。腕の怪我は大した事ないらしい。
出血も、表面を切っただけですぐ止まったそうだ。
ただ、倒れた時にちょっと頭を打って脳震盪起こしたらしい。
様子を見て3日ほど入院させるって言ってるから、帰ったら見舞いに行けばいい」
よかった……
緊張が解けて、身体から力が抜けて行く。
「……」
「わかったな？ﾋﾁｮﾙ」
「わかったよ…」
「ﾄﾞﾝﾍ…」
「ああ、ｼｳｫﾅ…」
「大丈夫か？」
「あ、ああ。俺は別に…」
「そうか？まあいい。ミイナに連絡取って様子を見てきてもらうから」
「ああ、そうだな…そうしてくれる？ハニも心細いだろうし…」
「うん。ラスト一回、イベント頑張ろう」
そうだ。俺たちはプロだ。
何があっても待ってくれるファンのために最高のものを見せないといけないんだ。
さっきの、今まで感じたことのない初めての感覚。
押し寄せるようなその思いを、心の奥に押し込んで鍵をかけた。
*
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さくらこ(プロフ) - まあさん» まあさん、初コメありがとうございます！絶妙だなんて(///△///） 自分ではもう、ない知恵振り絞ってる感じなんですが^^;2章に移行しましたので、引き続きおつきあいくださいね！ (2013年10月23日 17時) (
レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ごんごんさん» ごんごんさん、コメントありがとうございます！そうなんですよね。ぶつければいいと思うんだけど…なかなか、うまくいくか…って感じです。2章に移行しましたので、引き続きおつきあいくださいね！ (2013年10月23日 17時) (レス) id: fbd3e675d8 (このIDを非表示/違反報告)
まあ(プロフ) - 初めてコメントさせていただきます。いつも絶妙な展開で楽しませて頂いてます(*^^*)これからのドンへの展開楽しみです(*^^*)さくらこさんのセンス大好きです!!! (2013年10月23日 0時) (レス) id: 9c0e6bd832 (このIDを非表示/違反報告)
ごんごん(プロフ) - ドンへさん自分の気持ちに気づいたならその気持ちをぶつけちゃって… いつも楽しみにしています^_^ これからの展開がとても気になります>_< (2013年10月23日 0時) (レス) id: 3fe715c8fc (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - ミイさん» ミイちゃん、いつもコメントありがとう〜ドンへ、そろそろ気づかなきゃダメよね^^;ﾋﾁｮﾙも絡んで複雑…です^^; (2013年10月16日 23時) (レス) id: a388da78b1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi＊ku
| 作者ホームページ：http://id41.fm-p.jp/390/cherryhae15/
作成日時：2013年10月3日 4時
