Sweet butterfly〜Donghae〜

サイン会 ページ34

*


あの場面は、ちょうどカメラが切り替わった時だったために
奇跡的に放送はされてなくて。
マネオンニはちょっと残念そうだったけど、あたしはホッと胸を撫で下ろした。

だってあんなの流れちゃったらきっと、大変なことになる。

最初こそ観覧者のTwitterとかでもしかして？みたいな感じで
話題にはなっていたけど、すぐにそれも落ち着いて。

結局、MVと一緒でしたように見せて実はしていなかったってことでまとまったらしい。

自分でも、あれは事故みたいなもんだと思うことで心に決着をつけることにした。


だけど…


事態は全然収まってなんかいなかったんだと、あとになって思い知らされる。




*



「サイン会？」

「ええ、リリースイベントよ。
今度あなたもSjと一緒にS○AOのイメキャラに抜擢されたでしょ？
で、お披露目も兼ねて明洞店でサイン会を開催することになったのよ」


「サイン会…」


今までリリースしたCDのどれも、サイン会なんてしたことなかった。


「なに、嬉しくないの？
売れ行きも好調なのに、なんだかあんまり嬉しそうじゃないわね。
来週は1位かもしれないのよ？」

「え！？そ、そんなことないよ、嬉しいよ！とっても！！」

「そう？ならいいけど…あ、ただね。その日、
SJはちょうど日本でファンクラブイベントがあって韓国にはいないのよ」

「そう、なんだ…」

「だから、ﾋﾁｮﾙなしであなただけになるわ。
ﾋﾁｮﾙがいてくれたら相当盛り上がるんだけどねぇ。
あなたも、いつか日本に凱旋帰国してイベントが出来るくらい売れるといいわね。
頑張りましょう！」

「はい、頑張ります！」


もちろん、CDの売れ行きが好調なのも
そのおかげでラジオやTV番組への出演依頼が増えるのも嬉しい。


サイン会だって……


ﾋﾁｮﾙオッパがいてくれたらそりゃあもちろん、心強いし
オッパのファンがたくさん集まってくれて盛り上がるだろうけど…

あんなことがあった後だし、あれからオッパ達とも会えてないし
なんか気まずいっていうか…


だから、内心はホッとしてる自分がいて。



そして、ﾄﾞﾝﾍオッパ達Sjの日本でイベントの最終日、あたしはサイン会を迎えた。



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