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お互いの秘密を分かち合った後も、私と蛍との関係は、恐ろしい程に変わらないままで。




ーーーーーーーああ、でも、









「由良さん、ちょっとトス見てくれーーー!」



「由良さん、今日もお美しいです!潔子さんと並ぶともはや楽園!!!」



「スポドリ追加頼むーーーーーー!!」






唯一変わったこと。



私が、烏野高校バレー部の、マネージャーになった。









自分で言うのは何だが、私は自分を賢い女だと思っている。



だからこの関係が、蛍とのつながりが、そう長くは続かないことも、心の片隅では分かっていた。






だから、少しでも彼と限りある時間を共有したくて。









「由良がマネージャーになってくれて良かったべーー!」



まぶしいくらいに笑うこの人は、私がマネージャーを始めた、その不純な動機を知らない。























それからも、毎週金曜には、必ず一人暮らしの私の家に彼がやってきて。




何も言わず、お互いを求めあって。









「・・・・・何で泣くの」




「いいからっ・・・・・・続け、て」








私は行為の最中に泣くことが増えた。









嗚呼、こんなにも辛いのは、




こんなにも呼吸し続けるのが辛いのは、





ーーーーーーーー貴方がいるからだ。









愛されたい、満たされたい。



でも、私がβだから。





平凡な、どこにでもいる女だから。









(彼の隣で、笑うことさえ許されない)









その日蛍は、




「泣いてる女抱く趣味なんて、ないから」






そう言い捨てて、去って行った。









最後に振り向いた彼の瞳に宿っていた雫は、どうしようもないほどに私のためのものだ。







それに、気づいているのに、



















「だっさ・・・・・・」




(臆病な私は、まだ何もできないでいる)

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sukai(プロフ) - 鎖奈さん» 了解しました。 (2015年2月6日 22時) (携帯から) (レス) id: 4118f4027b (このIDを非表示/違反報告)
鎖奈 - sukaiさん» そうおっしゃっていただけて、とても嬉しいです。ピンク要素の少ない、暗くて重いだけのオメガバースに需要があると思ってなかったので・・・。新しい短編集でもよろしくお願いします。 (2015年2月6日 22時) (レス) id: a4e6000211 (このIDを非表示/違反報告)
sukai(プロフ) - この作品とても好きです(≧∇≦)更新楽しみにしてますo(^-^)o (2015年2月6日 19時) (携帯から) (レス) id: 4118f4027b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:鎖奈 | 作成日時:2014年11月22日 20時

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