０７ side・A ページ33
高校に入ってから俺は変わった。
適当な女を引っ掛けて、毎夜のように快楽に溺れた。
甘い言葉を囁くたびに、頬を赤らめる女の様子は見ていて滑稽でしかなくて。
「はは、ばっかみたい」
心のどこかでは分かっていたのだ。
こんなことを続けていても、何も変わらないことくらい。
でも、それでも。
こうするしかなかったのだ。
家では母親の過剰な期待と異常な愛をうけて。
婚約者からは執拗に、空虚な愛の言葉を迫られて。
もう、壊れてしまいそうだった。
愛が欲しかった。
αとか、そーゆーの関係なしのまっすぐな愛。
「もうこんな時間か」
幼いころに誰かからもらった、淡いピンクのクッションに顔をうずめて今日もまた眠りに落ちる。
異常だとは分かってるけど、俺はこのクッションが無いといまだ一人で眠りにつけない。
本当は俺がこのクッションを抱きしめるように、
暖かく俺を抱きしめてくれる誰かを望んでいるのだけれど。
「さみぃ・・・・・」
俺を愛してくれる人なんて、その時の俺のセカイにはどこにも存在してなかった。
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sukai(プロフ) - 鎖奈さん» 了解しました。 (2015年2月6日 22時) (携帯から) (
レス) id: 4118f4027b (このIDを非表示/違反報告)
鎖奈 - sukaiさん» そうおっしゃっていただけて、とても嬉しいです。ピンク要素の少ない、暗くて重いだけのオメガバースに需要があると思ってなかったので・・・。新しい短編集でもよろしくお願いします。 (2015年2月6日 22時) (レス) id: a4e6000211 (このIDを非表示/違反報告)
sukai(プロフ) - この作品とても好きです(≧∇≦)更新楽しみにしてますo(^-^)o (2015年2月6日 19時) (携帯から) (レス) id: 4118f4027b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鎖奈 | 作成日時：2014年11月22日 20時
