０４ side・Ｔ ページ20
ずっと、彼女だけを見つめていたから。
だから、気づいたんだ。
ある日生じた、ほんのちょっとの違和感の正体。
(ああ・・・そうか)
岩泉一。
もう一人の、大切な俺の幼なじみ。
彼と話す時、Aの頬はほんのり赤かった。
Aが好きだ。
でも、それとおんなじくらい岩ちゃんのことが大切なのも事実だった。
そもそも、俺はβだ。
それで、AはΩで、岩ちゃんはαだ。
俺は知っている。
３カ月に一回やってくるΩ特有の周期に、それをおさえるための抑制剤の副作用に、
Aが苦しんでいることを。
(もし、岩ちゃんとAが番になれば)
Aはもう、苦しまなくて済むんだ。
「A、岩ちゃん。 肉まんとあんまんとピザまんどれにしようかなー」
「ったく、食い意地張りすぎだろお前」
「あ、じゃあ３人で一個ずつ買ってシェアしよう？ 私あんまん先にもーらいっ」
俺たちは、世界で３人だけの幼なじみ。
その世界には俺たち３人以外のだれ１人入らせないし、そもそも入れない。
Aと岩ちゃんが幸せになること。
それは俺の胸の奥底にある気持ちを、きっと深く傷つけることになるけれど。
それでも、俺の幸せはAが幸せになることだから。
だから、
「協力、してあげようか」
俺は真新しい刃で、自分の心を突き刺し続ける道を選んだ。
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sukai(プロフ) - 鎖奈さん» 了解しました。 (2015年2月6日 22時) (携帯から) (
レス) id: 4118f4027b (このIDを非表示/違反報告)
鎖奈 - sukaiさん» そうおっしゃっていただけて、とても嬉しいです。ピンク要素の少ない、暗くて重いだけのオメガバースに需要があると思ってなかったので・・・。新しい短編集でもよろしくお願いします。 (2015年2月6日 22時) (レス) id: a4e6000211 (このIDを非表示/違反報告)
sukai(プロフ) - この作品とても好きです(≧∇≦)更新楽しみにしてますo(^-^)o (2015年2月6日 19時) (携帯から) (レス) id: 4118f4027b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鎖奈 | 作成日時：2014年11月22日 20時
