Sweet butterfly〜Donghae〜5

07:ジェラシー ページ7

*



やっちゃった！
いつもはオッパがするようなこと、自分からチュッてしちゃった///


オッパ、キョトンとしてた…
可愛かった///てか、引いてないかな？


舞台袖に着いても心臓がうるさい。


オッパの手が好き。
小さな爪も、浮き出た血管も。

あたしを優しく抱きしめる力も…

そんな想いを、唇に託した。


あたしの気持ち、伝わったかな。


「よお、A」

「タツヤ！」

「ちゃんと勉強してるか？」

「は？何を…ってちょっと！あんたオッパに変なこと言うのやめてよね！？」

「変なことって…ぁあ…あの事？俺は黒がいいって言っただけじゃん」

「あんたの好みは聞いてない！」


ニヤニヤ笑うなイヤラシイ！！


「てかさ、ちゃんと勉強してマスターしないとホラ、見てみ」


タツヤが顎でクイっとしゃくったその先。

たった今別れたばかりのオッパが、スタスタと歩いてきたと思ったら
その後ろからパタパタと身体をしならせてオッパを追いかけてきた人。


あの子…
別事務所のアイドル。

すごく童顔で華奢なんだけど出てるとこは出てる、
いわゆるナイスバデーな子。


「オッパ…」


何を話してるかわからないけど…


「あっ！」


手、握った！何？何してるの？？
オッパ、笑ってる……


あ、頭……ぽんぽんってした…凹


「あ〜あ、なんかいい雰囲気じゃない？いいの？ほっといて」

「いいも悪いも別に…」


たかが頭ぽんぽんくらい、誰にだってするもん。
オッパは特に、誰に対しても距離が近い。

それに、来るもの拒まずっていうか。
慕われたら無下に出来ない優しいところもオッパの魅力でもあるし。


でも…
オッパのあんな自然な笑顔、久しぶりに見た気がする。


最近、あたしにはしてくれなくなったスキンシップを
他の子にしてるとこなんか、正直見たくないのは事実で……

ユリオンニにさえ感じなかった黒々とした感情が胸に押し寄せて
その波を鎮める事がこんなにも難しい。


「ま、せいぜい頑張れよ。取られないようにな」


そう言うと、タツヤはセットしたばかりの髪をくしゃっとした。


「ちょ！やめてよ！乱れるでしょ！？」

「あ、悪い、こうだった？」

「もう！いいよ！！あー！もう！ちょっと直してもらってくる！」


そう言ってその場を離れたのは、
ヘアメイクのオンニに髪を直してもらうのを理由にして
その場を離れたかったから。


「やだ…」


絶対に、オッパを手放したくない。

帰ったらあのDVD見よう、って本気で思った。←



*

08:我慢も限界〜DH〜→←06:黒か、白か〜DH〜

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す