Sweet butterfly〜Donghae〜5

23:空っぽな器 ページ23

*



日本に帰ってきて…3日｡


懐かしいはずの場所なのに､なぜか落ち着かない｡
今まで､暇な事もあったけどそれなりに充実してた韓国の生活に
慣れていたからなのか｡

ううん､きっと……

すぐそばに愛する人がいて､愛されていたからだ｡

今は､その温もりに触れる事もできない｡


今のあたしは､空っぽな器の気分｡

この器に入るのは

ｵｯﾊﾟしかいないんだよ､ｵｯﾊﾟ＿＿



ｵｯﾊﾟの事があってｱｯﾊﾟとも気まずいし､
そんなあたしたちの間でｵﾝﾏが気を使ってるのがわかる｡


申し訳ないけど…
まだあたし､ｱｯﾊﾟと向き合う自信がない｡



RRRRR


｢もしもし…｣

『A？こっちに帰って来てるってﾎﾝﾄ！？』

｢え…？｣

『ﾋﾄﾞｲ！忘れちゃったの？あたしよ､あたし！ﾚｲ』

｢え､れ､ﾚｲ！？うわ､久しぶり！｣

『もう〜､久しぶり､じゃないから！何よ､戻ってるなら連絡してよね？
あたしﾊﾆの日本FC第一号なんだから！！』

｢ごめんごめん(汗)｣


ﾚｲ…


幼馴染でﾀﾂﾔと共にあたしと普通に接してくれてた数少ない友人｡

辛かった時も､頑張れって背中を押してくれてた｡


『仕事は？』

｢うん､明日こっちでのｲﾍﾞﾝﾄが終わったらそのあとはちょっと休めるかな｣

『ﾏｼﾞ？じゃあさ､同窓会しようよ！』

｢え…？｣


同窓会……
て事は同級生が来るって事で…

正直､高校時代はあまりいい思い出がなかった｡
SMに合格してﾚｯｽﾝ漬けの毎日だったからほとんど行ってないし…


『わかってる､Aが高校の子達にされた事も…
でもさ､みんな大人になってるよ｡
実はあの子達からお願いされたんだよね､仲直りしたいって』

｢え…？｣


仲直り……？


｢それってどういう…｣

『あの子ら､今じゃﾊﾆの大ﾌｧﾝなんだよ｡
こっそりﾃﾞﾋﾞｭｰｲﾍﾞﾝﾄも行ったしCDだっていっぱい買ってさ｡
私の私設FCの会員なんだよ｡ま､1番は私だけどね』

｢ﾎﾝﾄに……？｣

『うん｡だからさ､ﾊﾟｰｯと騒ごうよ！
覚えてる？明日地元のお祭りじゃん｡浴衣着て行こ！』

｢まだ6月だよ｣

『いいじゃん！結構着てる子いるよ｡ね？行こうよ｡じゃあ明日ね！』

｢うん…｣


ああ返事はしたものの浴衣なんて日本にいた時だって着たことない｡
どうしよ…


｢A〜､お客様だけど…｣

｢え？お客様？？｣


まさか､ﾚｲ？


｢ﾊ〜ｲA！｣

｢え！？｣

｢えへ､ｻﾌﾟﾗ〜ｲｽﾞ｣

｢ミイナ！！｣




*

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