Sweet butterfly〜Donghae〜4

電話の向こう〜DH〜 ページ22

*



「うわー、それ大人気ないわ」

「言うなよ〜、俺めっちゃ反省してるんだから…」

「でもさ、その子」

「ん？誰」

「タチュヤ？タ、ツ、ヤ、って言いにくいな。そいつ。」

「ああ…」

「ハニとはそんな仲良さげだったの？」

「ん…」


あの光景がチラついて、軽く落ち込む。


「またぁ、しょげんなって。
お前がハニと付き合ってるって言ってやったらどう？」

「え？でも…」

「なんだよ、言わないのか？」

「だって…そんなこと言ったら仕事やりにくくならないかな」

「そんなことないだろ」

「でも……」

「タツヤ。21歳。ハニと同い年ですね。
身長は…公式プロフィールによると……186？高っ。
4人組ダンスボーカルユニット【Ataraxia】のメインボーカル&ダンサー。
なかなかのイケメンですね。まあ僕には負けますけど」

「なんだよ、ｷｭﾋｮﾅ。聞いてたの？てか、ｷｭﾋｮﾅさすがうまいね、日本語発音」

「なんですか、人聞きの悪い。ここはどこですか？」

「え？宿舎…」

「そう。で、ここはどこ？」

「えっと、ｷｭﾋｮﾝの部屋」

「当たり！！じゃなくて。何なんですかもうさっきから二人とも
僕の部屋で密談やめてもらえませんか？ゲームしたいんですけど」

「いいよ、すれば？」

「チッ」

「それより…どうしよう、Aに呆れられてたら」

「ぁあ、うーん」

「それは大丈夫でしょ。」

「なんで？」

「だって、ハニですよ？今までオトコと付き合ったことのないハニが
呆れるとか？ないでしょ」

「そ、そうかな…」

「はい」

「なんか…ｷｭﾋｮﾅが言うと説得力あるな。さすがギュライン」

「うん…」


けど……俺はなんだか不安で。
電話するって言ったものの、迷ってるうちに夜も更けて。
さすがにもう帰ってるかな？と思ってAの番号を呼び出してみる。


何度目かのコールの後。


「あ、ヨボセヨ？A？」

「……」


あれ…？


「A？」

「…ぁあ…Aなら…寝てますけど」


は？


「お前……誰だ」

「俺は…」


タツヤ……？タツヤなのか？

なんであいつがAの携帯に出るんだ。
Aが寝てるってどういうことだよ。


もう時間だってこんなに遅いのに。
てか、韓国語？喋れるのかよ……こいつ…


「……Aに代わってくれ」


大声を出したい気持ちを抑えて。
俺は必死で穏やかに言ったつもりだったけど。


「ふふ…」


電話の向こうから聞こえてきたのは、
タツヤのバカにしたような笑い声だった。



*

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